2019.6.13
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贈与

失敗も役に立つ?譲渡所得のカラクリ

(写真=Amnaj Khetsamtip/Shutterstock.com)
(写真=Amnaj Khetsamtip/Shutterstock.com)
不動産の売買をすると、利益が発生することも、しないこともありますが、気をつけなければならないのは税金です。利益が発生した時には税金を納めなければなりません。損をしても、対応次第ではすでに納めた税金の一部を取り戻すことができます。不動産の売却は多くの人にとって頻繁に発生することではないかもしれませんが、譲渡所得の仕組みを理解しておきましょう。

マイホームの売却で税金が還付されるしくみ

収入にはいろいろな種類があります。多くの人にとって、主な収入は給与でしょう。個人で商売をしている人は、その事業で得た収入で生活しています。銀行口座に入金される利子、株式の配当金、宝くじの当選金、大家さんの家賃収入。これらは所得税を計算するにあたって、それぞれ別の収入とみなされます。

収入を得るために投資をしたところ、思ったとおりの成果が得られず損失が発生することがあります。預金の利子に損失はありませんが、事業や不動産投資で損失が発生することは珍しくありません。

Aという種類の収入がたくさんある一方で、別の収入Bでは赤字が発生している。この状況でAの収入からBの赤字を差し引くことで、納める税金が少なくなることを損益通算といいます。この仕組みを活用するかどうかで、納める税額に大きな差が出ることがあります。

不動産の場合、買った金額よりも売った金額のほうが低ければ、赤字が発生します。しかし、基本的に給与収入と損益通算することはできません。このように個別で計算する方式を分離課税といいます。

ただし、マイホームの場合は特例が認められています。所有期間が5年以上の自宅を売却して損失が出た場合、給与収入などと損益通算できます。確定申告すると源泉徴収された税金が戻ってくるのです。
 

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1日の違いで税金が倍になる?

不動産の場合、家賃収入と売買の損益は、税金の計算上別のものとして考えます。家賃収入は給与収入などと損益通算できますが、売買の損益はできません。不動産売買の損益は、分離課税の「譲渡所得」として扱われます。

不動産の譲渡所得は、買ってから売るまでの期間によって税率が異なります。売った年の1月1日時点で購入から5年以上経っていると、所得税と住民税、復興所得税の合計は20.315%です。5年未満の場合は39.63%です。それぞれ長期譲渡所得、短期譲渡所得と呼ばれています。

売却する日がたった1日違うだけで、税率が倍近くになってしまうことがあるのです。

損して得取る損益通算

不動産売買の損益は他の収入と損益通算できませんが、土地や建物などを複数売却していれば、それらの間では通算できます。長期と短期の間の通算もできます。このルールを利用して、売却のタイミングを合わせると節税することができます。

たとえば、マイホームではないA物件を売ると1,000万円の売却損が出る場合、給与収入や不動産収入からこの赤字分を差し引くことはできません。一方、保有期間が3年のB物件を売ると1,000万円の売却益が出るとします。両物件を別の年に売却すると、B物件に対して短期譲渡所得として約400万円の税金がかかります。もし家賃収入のほうで赤字が出ていても、差し引くことはできません。しかし同じ年にA物件も売ることで、A物件の売却損とB物件の売却益が相殺され、B物件の売却益にかかるはずだった400万円の税金はなくなります。

このように赤字物件を売却することで、税金対策になることがあるのです。

不動産の運用には専門家の助言が重要

売却すると損失が出る不動産と利益が出る不動産がある場合、同じ年に売却することで納める税金を減らすことができます。資産形成を少しでも有利に進めるためには、税金を考慮に入れて売却を計画するべきです。このような込み入った計画には専門的な知識が必要なので、不動産コンサルタントや税理士などの専門家に依頼することをおすすめします。
 

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