2019.7.4
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贈与

不動産を生前贈与するとどんな税金がかかる?

(画像=Syda Productions/Shutterstock.com)
(画像=Syda Productions/Shutterstock.com)
相続税対策の手段の一つとして検討されるのが生前贈与です。特に、評価額が高くなりがちな不動産については、生前贈与を検討する方は多いです。しかしメリットがある反面、デメリットとして知っておきたいのが「税金」です。

夫婦間相続税対策や事業承継対策で不動産の生前贈与が行われる

夫婦の間での相続や事業を営んでいる世帯での相続では、相続対策として生前贈与を検討することがあります。なぜかというと、次のようなメリットがあるからです。

夫婦間での相続税対策としての生前贈与

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で居住用不動産や居住用不動産の購入資金を贈与した場合、贈与税の基礎控除である110万円の他、最高2,000万円まで配偶者控除を受けることができます。「贈与を受けた年の翌年3月15日(贈与税の申告期限)までに、贈与された不動産や受け取ったお金で購入した不動産に住まなくてはいけない」という制限がつきますが、上手に活用すれば相続税の節税だけでなく、夫婦の一方が亡くなった後の保障にもつながるのです。

事業承継としての生前贈与

現在、多くの中小事業者を悩ませているのが事業承継対策です。事業のインフラに過ぎず、簡単に売買できないのが実態ですが、それでも相続税法上は評価額のある資産であるため重い相続税が承継後の事業を圧迫する恐れがあります。その負担を軽減すべく、2009年度税制改正により事業承継税制が創設され、現在に至っています。

一定の手続きを行うことで自社株式や個人の事業用資産を生前贈与すれば、その事業を廃止したりしない限り、事業承継に係る贈与税・相続税は永遠に猶予・免除されます。相続が発生してから行ってもよいのですが、相続税の申告期限が被相続人の死亡等から10ヵ月以内であることを考えると、生前贈与の方がより余裕をもって対策しやすいと言えます。

このほか、贈与税の暦年課税制度の基礎控除枠である110万円や相続時精算課税制度の非課税枠2,500万円を活用して少しずつ不動産の持分を子や孫に贈与する人もいます。

生前贈与した場合にかかる税金

生前贈与を上手に活用すれば税金を低く抑えられますが、それはあくまでも相続税についての話です。財産を取得することでかかる税金は避けられません。

贈与税

相続税対策としての生前贈与ですが、贈与税という税金が発生します。暦年課税制度ならば1年間の贈与額が110万円以下ならば贈与税はかかりませんし、相続時精算課税制度を活用すれば2,500万円までは贈与税が非課税です。しかし、この金額を超えると、年間の贈与額に応じた贈与税がかかります。

登録免許税

贈与で不動産を取得するということは、その不動産を登記するということです。この登記の際、国により登録免許税が課せられます。土地・建物についての登録免許税は基本的にそれぞれの固定資産税評価額に2%となっています(※)。

※2020年3月31日までは、新築で取得した住宅など一定要件を満たす場合には1.5%の軽減税率が適用されます。

不動産取得税

不動産を取得した場合、都道府県に対し不動産取得税を納めなくてはなりません。贈与により取得した場合、基本的に「固定資産税評価額×4%(※)」が課税されます。

※2021年3月31日まで宅地についての課税標準額は「固定資産税評価額×1/2」、住宅と土地に適用される税率は3%となっています。また、一定の要件を満たした建物やその敷地については軽減される可能性があります。

その他、気にしておきたい費用

これら以外にも、変更登記の費用や司法書士・税理士など専門家への報酬も加味する必要があります。また、維持・保有には固定資産税がかかります。

トータルコストを加味した上での対策を

相続税対策を急ぐあまり、生前贈与を行って予想外の出費で泣いては元も子もありません。専門家の協力を得ながら「相続した場合」「生前贈与をした場合」の両方の全体コストを検討してから決断するとよいでしょう。

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