2020.4.3
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贈与

手間なくスムーズに!生命保険を使って生前贈与する方法

(画像=Stock Rocket/Shutterstock.com)
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相続対策に関心がある人なら、生前贈与を使って相続税を節税できることはご存じでしょう。たしかに節税効果はありますが、繰り返し行う手続きを負担に感じる人もいます。

しかし、ある生命保険を使うと手間なく生前贈与ができます。

生前贈与には相続税の節税効果があるが手間がかかる

相続税対策の代表的なものに、生きているうちに相続人となる人へ財産を無償で引き渡す生前贈与があります。一般的な贈与は暦年贈与と呼ばれ、1人が受ける贈与について1年につき110万円までは非課税です。
よって年間110万円の生前贈与を毎年繰り返すことで、相続の一部を課税されることなく前倒しできます。

贈与の手続きには、少し手間がかかります。自動車や不動産など、名義変更が必要なものだけではありません。どのような財産を贈る場合でも、贈与契約書を作成することをおすすめします。

現金を手渡しするのではなく、なるべく銀行振込を利用し、毎回金額と時期を変えたほうがいいでしょう。

わざわざ契約書を作成する理由は、生前贈与した証拠を確実に残すためです。ただし、作成の手間を省くために契約書をまとめて作成すると、贈与税を不要に納めなければならなくなるおそれがあります。

たとえば、ある年に「1,100万円を10年に分けて110万円ずつ贈与する」とする契約書を作成すると、それは1,100万円の贈与と見なされてしまう可能性があります。その場合、1,100万円から暦年贈与の非課税枠である110万円を差し引いた990万円に対して贈与税が課されてしまうのです。

このように1つの財産を分割して贈与することを、定期給付契約といいます。契約書の作成や時期・金額を変えるなどの手間は、税務署に定期給付契約と見なされないための方策でもあるのです。

受取人を家族にすることで自動的に贈与できる生前贈与機能付き生命保険

暦年贈与を簡単に行う方法の一つに、「生前贈与機能付き生命保険」があります。一般的な死亡保障との違いは、契約者が生きている限り、受取人が定期的に生存給付金を受け取れることです。

たとえば、親が子どもへの相続税対策を検討しているとします。親は一括で保険料を1,000万円を払い込み、生前贈与機能付き生命保険に加入。親が生きている限り、子どもは10回にわたって毎年給付金を受け取れる契約です。

子どもが100万円ずつ8回給付金を受け取った後、9年目に親が亡くなりました。子どもは残りの200万円を死亡保険金として受け取ります。
生前に受け取った800万円は暦年課税にあたり、年間110万円の非課税枠に収まるため、贈与税は発生しません。また、生命保険はみなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、「500万円×法定相続人の人数」という非課税枠があるため、この場合の200万円についても相続税は発生しません。

このように、「生前贈与機能付き生命保険」を使うと贈与契約書や振込の手間なく暦年贈与ができるのです。生存給付金の受取人は変更できる仕組みになっており、給付金は基礎控除の110万円の範囲内で設定します。尚、契約内容は保険商品によって異なり、複数の受取人を指定できるものもあります。

一見すると定期給付契約に似ていますが異なります。生前贈与機能付き生命保険は、契約時点では贈与の総額が決まっていないからです。生存給付金は契約者が亡くなると、それ以降は支払われなくなります。

また受取人を変更できるため、誰に合計でいくら贈与するのかは、最後までわかりません。そのため定期給付契約にはあたらず、暦年贈与が適用されると考えられます。

変額個人年金には価格変動リスクがあることに注意

便利な生前贈与機能付き生命保険ですが、注意点もあります。運用結果によって受取額が変わる変額タイプのものは、元本割れするリスクがあります。受取額が外貨ベースで確定しているタイプも同様です。

たとえば、一括で1,000万円を払い込み、受け取りは1回につき100米ドルが保証されているとします。払い込み時のレートが1米ドル100円で、その後円高となり10年間1米ドル90円前後で推移、若干の運用益があり平均103米ドルで10回受け取ったとすると、受取額の合計は支払額よりも73万円少ない927万円になります。

豪ドルのように比較的金利が高い外貨は、為替レートが変動しやすい傾向にあります。加入に際しては、為替リスクと手間が省けるメリットを天びんにかけ、慎重に検討してください。商品によっては、円ベースで受取額が確定しているものもあります。

尚、途中解約するとペナルティ(解約控除)の支払いがあり早期解約ほど不利になります。最後まで続ける前提で利用することが大切です。

生前贈与機能付き生命保険はリスクに気をつければ便利な相続税対策となる

暦年贈与では年間1人110万円までは非課税となりますが、贈与契約書を作成し銀行で振り込むなどの手続きを何度も行う必要があり、手間がかかります。

一方で生前贈与機能付き生命保険は、受取人を指定するだけで自動的に贈与できます。ただし運用にはリスクが伴うことがあるので、内容をよく理解した上で契約するようにしましょう。
 

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