2020.5.22
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贈与

不動産を贈与するときの手続きの流れ

(画像=Brian A Jackson/Shutterstock.com)
(画像=Brian A Jackson/Shutterstock.com)
自宅以外の不動産を持つ人にとって、生前贈与が必要となるケースは少なくありません。相続対策や事業承継などさまざまな理由がありますが、いずれの場合も手続きを正しく行う必要があります。大まかな流れを説明するので、贈与を検討している人は参考にしてください。

贈与契約書の作成

贈与は民法でいう契約の一つです。口頭でも成立しますが、契約書を残しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。また、後述する登記の際にも必要です。

あまり複雑なものは必要ありません。記載事項には、日付、不動産を贈与する人(贈与者)ともらう人(受贈者)の住所と氏名、それぞれの署名捺印、お互いの合意のもとに贈与を行う旨、不動産を特定できる情報などがあります。

贈与契約書は、正確に書く必要があります。住所は住民票のとおりに、不動産の情報は登記地番や地目、面積などを登記簿のとおりに記載します。契約書は人数分作成し、それぞれが保管します。

作成した贈与契約書には、それぞれ200円の収入印紙を貼ります。通常、不動産の売買やローン契約では金額に応じた印紙税を納めますが、贈与の場合は価格の記載のないものとして、印紙税は一律200円となります。

法務局で登記

契約書は、あくまでも贈与者と受贈者の二者間で交わすものです。誰が見ても所有者が変わったことを明らかにするために、登記をする必要があります。つまり名義変更です。こうすることで、他に相続人となる予定の人や、土地の売買に関係する第三者などに対して、所有権を主張できます。

名義変更登記は、最寄りの法務局で行います。また、郵送やインターネットでもできます。

必要書類は、贈与契約書、登記識別情報、贈与者の印鑑証明書、受贈者の住民票の写し、委任状です。委任状は、贈与者と受遺者が共同で行う場合には必要ありません。登記識別情報とは、昔でいう権利証のことです。無事に登記が終われば、新しいものが発行されます。

登記の際には、登録免許税を払わなければなりません。税率は、土地・建物とも固定資産税評価額の2%です。現金か収入印紙を用意しておきましょう。

契約書の作成から登記までは自分たちで行うこともできますが、司法書士に代理してもらうと正確かつスムーズです。手数料は2万円から8万円くらいです。
 

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贈与税の申告・納税

贈与に関する手続きは上記のとおりですが、残るは贈与税の申告・納税と不動産取得税の納税です。

贈与税の申告は、贈与した日付の翌年3月15日までに行います。贈与には、暦年贈与と相続時精算課税の2種類あり、特に何もしなければ暦年贈与を選択したことになります。年間に受け取った贈与の合計額が、基礎控除額の110万円を超えた場合は申告が必要です。

もう一方の相続時精算課税は、まず贈与税を納め、贈与者が亡くなったときに相続税として計算しなおす方法です。合計2,500万円までの贈与には贈与税の納税義務はありませんが、申告書と相続時精算課税選択届出書を税務署に提出する必要があります。

贈与税額は、不動産の相続税評価額で決まります。相続税評価額は、時価のおよそ7割から8割と考えてください。ただし、「ローンを肩代わりする」などの条件を付ける負担付贈与の場合は、時価を基準にするので、税額は多くなります。

最後は不動産取得税の納税です。登記をして数か月後、都道府県税事務所から納付書が届きます。税率は原則として固定資産税評価額の4%ですが、2021年まで3%としたり、宅地の評価額を1/2としたりする特例があります。

複雑な贈与の手続き

不動産の贈与には、贈与契約書や登記、贈与税の申告など、慣れない手続きが伴います。司法書士や税理士などのプロに代理を依頼すると確実かつスムーズです。不動産会社に相談すれば、紹介してくれるかもしれません。自分で手続きを行う場合は、書類の記載は一言一句間違えないように注意してください。
 

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