2020.9.15
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贈与

婚活費用はOK? 「結婚・子育て資金の一括贈与」の対象範囲

(画像=5second/stock.adobe.com)
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結婚や子育ての支援を目的にした場合、贈与税が非課税になる「結婚・子育て資金の一括贈与」という制度があります。しかし、この制度の利用にあたってご注意いただきたいのは、その範囲は意外とシビアであることです。利用を検討している方は制度の概要や範囲を知っておく必要があります。

「結婚・子育て資金の一括贈与」とは?

「結婚・子育て資金の一括贈与」とは、20歳以上50歳未満の人が、父母や祖父母などの直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合に、その額が1,000万円までなら贈与税が非課税になる制度です。従来、2015年4月1日から2019年3月31日までの措置でしたが、2021年3月31日までに期限が延長されました。

通常、父母などから1,000万円の贈与を受けた場合、177万円もの贈与税がかかります(特例税率適用後)。これが0円で済むわけですから、結婚や子育てでお金を使う予定がある人にとっては大変お得な制度です。ただしこの1,000万円の枠の中で、結婚関係の費用に使えるのは300万円が上限とされています。

非課税の対象になる費用は?

ひとくちに「結婚・子育て資金」といっても、人によってイメージするものはさまざまです。具体的にどんな資金が非課税の対象になるのでしょうか。まず「結婚資金」ですが、以下のようなものと規定されています。

(1)挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用
(2)家賃、敷金等の新居費用、転居費用

次に「妊娠・出産・育児資金」は以下のような費用が非課税の対象です。

(1)不妊治療・妊婦健診に要する費用
(2)分べん費等・産後ケアに要する費用
(3)子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など
 

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非課税の対象にならない費用は?

「結婚・子育て資金」に含まれそうに思えても、実は含まれない(非課税として認められない)ものもあるので注意が必要です。結婚の場合、以下のような費用は非課税として認められません。
  • 結婚情報サービスの利用、結婚コンサルサービスなど婚活に要する費用
  • 両家顔合わせ、結納式に要する費用
  • 婚約指輪、結婚指輪の購入に要する費用
  • エステ代
  • 挙式や結婚披露宴に出席するための交通費(海外渡航費を含む)や宿泊費
  • 新婚旅行代
  • 受贈者以外が締結した賃貸契約に基づく費用
  • 配偶者の転居にかかる費用
たとえば新婚旅行も兼ねて海外で挙式する場合、挙式費用そのものは非課税として認められますが、新婚旅行代金の部分については非課税にならないということ。また、婚活にかかったお金も非課税になりません。新居の家賃に関しては、贈与を受けた本人が賃貸契約を結ばなければ、これも非課税にならないということです。

妊娠・出産・育児関係で非課税の対象にならない費用は次のようなものです。
  • 不妊治療や妊娠健診、出産のために遠隔地に移動する際の交通費や宿泊費
  • 処方箋に基づかない医薬品代
  • 明らかに妊娠や出産に起因する疾患の治療とは言えない治療費(外傷の治療、美容外科治療など)
いわゆる「里帰り出産」のための交通費は認められないということです。

手続きはかなり面倒。心して準備を!

そもそもこの制度を利用するには、やや面倒な手続きが必要です。まず、銀行などに結婚・子育て資金の専用口座を開設し、その口座に父母などから資金を一括で入金してもらいます。そして、口座を開いた銀行を通じて「結婚・子育て資金非課税申告書」を税務署に提出します。

口座にあるお金を引き出したい時には、銀行に対して結婚・子育て費用の支払い請求と領収書等を提出する必要があります。銀行がその内容を確認し、非課税の対象になると判断したら、ようやくお金が受け取れることになります。

このような手続きを経なければ、贈与税が非課税になりません。利用したい場合は、贈与者である父母や祖父母も含めて話し合い、銀行などの専門家のアドバイスも受けつつ、きちんと準備をしたうえで実行する必要があるでしょう。
 

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