2020.12.1
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相続

相続前に何としても解消しておきたい、隣地の境界問題

(画像=maho/stock.adobe.com)
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不動産の相続を予定している人にとって、必ず確認しておきたいことの一つが隣地との境界です。なぜなら境界が画定していないと、その隣地の所有者との間でトラブルに発展する可能性があるからです。本記事では、隣地境界問題の概要やトラブル回避の方法について考えてみましょう。

境界の未画定はトラブルのもと!相続でさらに複雑に

不動産をめぐる代表的なトラブルの一つが隣地との境界問題です。例えば、境界標を設置した時期が古かったり大規模な宅地造成が行われたりして、境界標(境界を特定するための目印)が失われてしまうこともあります。そのため隣地との境界が分からなくなってしまうのです。隣近所としっかりとコミュニケーションができており関係が良好なうちは問題になることは少ないでしょう。

しかし、相続や売買が行われるなどして所有者が変わった際などに境界トラブルが起こるケースがあります。特に境界があいまいなまま相続が発生したときは、問題は複雑になりがちです。境界が明確になっていないと土地の面積が決まらないため、相続税評価額を算出したり、土地を売却したりといったことが難しくなります。
 

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境界を画定するには長い時間がかかる可能性がある

相続予定の土地で境界が画定されていない場合、相続発生前にきちんと測量をして画定しておくことをおすすめします。具体的な手続きとして、まず、測量を土地家屋調査士(測量士)に依頼して行います。土地家屋調査士は隣地所有者に立ち会いのもと測量を行い、両者合意のもとで境界確認を実施していくという流れです。場合によっては、金属鋲やコンクリート標といった永続性のある境界標を設置する必要もあります。

土地家屋調査士に依頼してから実際に境界画定が終了するまでに、どれくらいの時間がかかるかは、隣地所有者との関係や隣地の所有者の人数によっても異なるでしょう。隣地所有者との関係が良好ならば2~3カ月で画定まで終えることができます。しかし隣地所有者と仲が険悪であったり隣地所有者が遠方に住んでいたりする場合は、「立ち会い」にたどり着くまでにも相当な時間を要する可能性があります。

さらに隣地の所有者が複数名いる場合はそれぞれに交渉したり立ち会いをしたりすることが必要になるため、場合によっては境界の画定までに数年かかってしまうこともあります。

話し合いがまとまらない場合には裁判に

話し合いで境界が画定しないときは、公的な「筆界特定制度」を利用したり、最後の手段として弁護士に依頼して裁判(筆界画定訴訟)を行ったりすることが必要です。もちろん土地測量の費用に加えて多額の弁護士費用がかかり決着するまでに数年の期間がかかることもあります。その間の心理的な負担も相当なものです。
 

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筆界特定制度の利用も検討を

上述した弁護士に依頼して筆界画定訴訟を行うという以外の土地境界をめぐるトラブルを解決する手段として、法務省の「筆界特定制度」というものがあります。筆界特定制度とは、その土地が登記されたときの境界について公的機関が調査し民間の専門家の意見も踏まえて明らかにする制度のことです。実は土地の「境界」と一口に言っても「筆界」と「所有権界」の2種類があります。
  • 筆界:登記されたときに定められた境界
  • 所有権界:土地所有者の権利が及ぶ範囲を画する境界
一般的にこの2種類の境界は一致しますが、長い時間が経つうちに所有権の一部譲渡が行われるなどして一致しなくなることも少なくありません。このようなときに利用できるのが「筆界特定制度」です。この制度では、土地の所有者の申請に基づき、筆界特定登記官が現地における土地の筆界の位置を特定します。筆界特定制度の利用には主に以下の3点がメリットです。
  • 費用の負担が少ない
  • 早期に判断が示される
  • 民間の専門家の意見を踏まえた判断であり、証拠価値が高い
隣人同士で裁判をしなくても境界問題を解決できる方法の一つとして、この制度の利用を検討してみるのもよいでしょう。

いずれにせよ、相続で土地を引き受ける可能性がある場合には、「境界がしっかりと画定されているか」「隣人とのトラブルがないか」などについてよく確認をし、必要があれば早い段階でその解消へ向けて動き始めることが大切になります。

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