2021.3.14
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相続

親が亡くなった後に親名義の家に住む場合、どんな手続きが必要?

(画像=ronstik/stock.adobe.com)
(画像=ronstik/stock.adobe.com)
ここでは親が亡くなった後に、残してくれた親名義の家に住むことになるケースについてお話しします。その場合、どのような手続きや費用が必要になるのでしょうか。また、手続きをしないで親名義のまま住んでも問題ないのでしょうか。今回はこのような、親が亡くなった後に親名義の家に住む場合のさまざまな疑問にお答えします。
 

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家の名義を親から自分に「名義変更」する

親が亡くなった後に親名義の家に住む場合には、その名義を親から自分に名義変更します。相続によって不動産を取得することになりますので、「所有権移転」の登記を行います。建物の名義を被相続人(親)から相続人(自分)へ変更する際は、「登録免許税」がかかります。なお建物のほかに土地の名義変更を行う場合にも登録免許税がかかります。

ちなみに登録免許税は、誰がどのように不動産を取得したかによって税率・税額が変わってきます。「法定相続人」が「相続」によって不動産を取得した場合には「固定資産税評価額×税率0.4%」で計算されますが、相続人や相続人以外の人が「遺贈」や「死因贈与」によって不動産を取得した場合には、「固定資産税評価額×税率2.0%」で計算され、税率が高くなっています。

なお名義変更の手続きは法務局で行います。手続きに必要な書類と入手先は下記のとおりです。提出先は、「名義変更をする不動産の所在地を管轄する」法務局となり、どこの法務局でも手続きができるわけではない点に注意が必要です。

▽所有権移転の登記手続きに必要な書類
書類名 入手先 備考
1 登記申請書 法務局 パソコンに「申請用総合ソフト」をインストールして作成できる。遺言による相続か、遺産分割協議による相続かで記載内容が異なるので注意
2 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本) 法務局  
3 被相続人(親)の出生から死亡までの戸籍謄本 市区町村役場  
4 被相続人(親)の死亡時の本籍が記載されている住民票または戸籍の附票 市区町村役場 親の最後の氏名及び住所が登記記録上の氏名および住所と異なる場合や親の本籍が登記記録上の住所と異なる場合に必要
5 相続人全員の戸籍謄本 市区町村役場  
6 不動産を取得する相続人(自分)の住民票 市区町村役場  
7 固定資産評価証明書 市区町村役場  
8 遺産分割協議書または遺言書 相続人が作成  
9 自分を含めた相続人全員の印鑑証明書 市区町村役場 遺産分割書を提出する場合に必要。遺産分割協議書と同一印


これらの書類と合わせて、親と自分を含めた相続人の関係を図にした「相続関係説明図」を添付すれば、提出した戸籍謄本一式を登記が終了した後に返還してもらえます。

相続関係説明図は手続き上、必ずしも添付する必要はありません。しかし、相続関係説明図を添付するメリットは、戸籍謄本の原本をそのまま返却してもらえることです。逆に添付しないと戸籍謄本は返還してもらえず、ほかの手続きで必要になった場合にはあらためて収集する手間がかかってしまいます。

戸籍謄本は、相続発生後にはいろいろな手続きの際に必要となりますので、相続関係説明図は作成し、添付する方の後々のためによいでしょう。なお、相続関係説明図に決まった書式はありませんので、パソコンなどで自由に作成して問題ありません。
 

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名義変更はいつまでに行う必要があるのか?

現在のところ、親が亡くなった後に親名義の家に住む場合、お伝えした「所有権移転」登記の手続きは義務化されてはおらず、いつまでに行わなければならないという期限も設けられていません。また手続きを行わなかった場合にも罰則などはありません。

ただし今後、相続発生後に所有権移転登記を一定期間内に行わなければならないように法改正を行う審議が行われることになっています。そうなると所有権移転登記が義務化され、罰則なども設けられる可能性があります。

特に土地については、所有権移転登記が行われないために所有者不明の土地が多く発生し、公共事業が進まないという背景のほか、登記が行われないことによる空き家の増加を抑えるという目的もあり、法整備が進められています。
 

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名義変更をしないとどのような問題が起きる?

では親の名義のまま住み続けた場合、どのような問題が起こるのでしょうか。相続発生後、被相続人の財産は相続人全員の共有となります。名義変更をしてはじめてその相続人の所有物となりますが、名義変更をしないままだと共有の状態が続くことになります。

他に相続人がいる場合には、親の後にほかの相続人が亡くなった場合、その遺族が相続人となり不動産の共有者となります。このように次々と相続が発生すると共有者が増え、権利関係が複雑になります。

自身に相続が発生した場合にも、残された家族のほかに共有者もその不動産を相続する権利が残っていますので、場合によっては立ち退きや金銭を要求されるリスクもあります。

また不動産の売却の際は共有者全員の同意が必要となりますので、共有者が増えると同意を得ることが難しくなり、共有者が亡くなった場合にはさらに共有者が増え、自身の土地として自由に処分などを行うことが難しくなります。

さらに自身に相続が発生した後に相続人が所有権移転登記を行う場合には、遡って複数の登記を行う必要があります。その際は共有者全員の登記簿謄本などの書類が必要になるほか、登録免許税も複数回分かかります。結果的に手続きが複雑になることに加えて金銭的な負担も負わせることになってしまいます。
 

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義務はなくとも名義変更は速やかにしておくのが吉

現在は名義変更の義務化はされていませんが、このようなデメリットが考えられますので、ご自身やご家族の今後を考えた場合には、早めの名義変更の手続きを行うようにするのがよいでしょう。
 
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