2018.8.1
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相続

相続税。遺産を相続できるのはどんな人?どんな割合?

(写真=designer491/Shutterstock.com)
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相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人」です。相続財産が基礎控除額の範囲内であれば、相続税の申告や納税の義務はありません。自分が関係する相続で税金が発生するかどうかを知るためには、まず「法定相続人が何人いるのか」について知る必要があります。あわせて、税率および税額を計算する際に必要となる法定相続割合についても知っておきたいところです。

法定相続人になる人はどんな人?

遺産相続に関しては民法第5編(882条~1044条)に規定されています。同法では故人の財産を受け取る権利を持つ人間のことを法定相続人といいます。必ずしもこのルールのとおりに財産を分ける必要はありません。あくまでも相続税の計算や裁判による遺産分割など、法律にのっとった手続きにおいて目安にするという考え方です。

法定相続人になりうるのは故人と親戚関係を持つ配偶者、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹などです。ここでいう親子関係は、「実子であるか」「養子であるか」は問いません。血のつながりがなくても、民法上の養子縁組を行っていれば、その子(親)は法定相続人となります。

再婚相手の連れ子でも、養子となっていれば法定相続人になることが可能です。ただし、これはあくまでも民法上の相続権の話になります。相続税の計算においては、法定相続人として数えられる養子の数には限りがあります。実子がいない場合は2人まで、実子がいる場合は1人のみ基礎控除額の計算に入れることが可能です。

では、婚姻届を提出していない事実婚の場合はどうなるでしょうか。このような、いわゆる内縁の妻・夫は法定相続人となりません。ただし、遺産分割においては「特別縁故者」として、他の相続人がいないときに財産を相続できる可能性はあります。もし2人の間に子どもがいたら、その子は認知されていれば法定相続人となるのです。

数少ないケースですが、胎児も法定相続人となりえます。例えば、夫が亡くなった時点で妻が妊娠していたら、その子は相続権を持って生まれることになるのです。ただし、流産してしまった場合を除きます。なお、遺産分割において各法定相続人は相続放棄をすると「初めから相続人でなかったこと」にすることが可能です。ただし、相続税では相続放棄した人も基礎控除額の計算をするときは、人数に入れることができます。

法定相続人の優先順位

法定相続には優先順位があるため、親や兄妹は法定相続人になるとは限りません。一方、配偶者はつねに法定相続人としての権利を持ちます。血縁者は子、親、兄弟姉妹の順に優先され、前の序列の人がいれば、後の人は法定相続人とならないのです。

配偶者と並んでもっとも優先される人を第1順位と呼び、故人の子どもがそれにあたります。子どもが亡くなっていた場合には孫、孫も亡くなっていたらひ孫と、直系の子孫にあたる人が法定相続人です。このように、相続人が亡くなっていた場合に次の世代が相続する制度を代襲相続と呼びます。

第2順位には親が該当します。親がいない場合、代襲相続によって祖父母、曾祖父母が相続の権利を持つことになるのです。また、子孫や親など直系の親族がいない場合に相続する第3順位の法定相続人は兄弟姉妹になります。亡くなっていれば甥や姪が代襲相続しますが、甥や姪の子ども、また叔父や叔母には代襲相続されません。

法定相続人の分割割合

この流れで、法定相続人がそれぞれに持つ分割割合を知っておくとよいでしょう。法定相続人が複数いる場合は、上記の序列と人数に応じて遺産を分割します。これが法定相続分です。配偶者の法定相続分は大きく、配偶者と第1順位である子どもがいるときは、それぞれ2分の1ずつ相続し、子どもが複数いる場合はその2分の1を子どもの人数で割ります。これは被相続人(このケースでは夫)が財産を作ることができたのは配偶者の協力もあったためとの配慮からになります。

例えば、配偶者と子どもが2人いれば、配偶者2分の1、子どもがそれぞれ4分の1ずつ相続します。配偶者がおらず、第1順位の子どものみの場合はその人数で均等に割るのです。例えば、子どもAと子どもBの2人のみがいる場合は2分の1ずつになります。子どもBがすでに亡くなっていて、その子どもである孫Cと孫Dがいる場合の法定相続分は、子どもAが2分の1、孫Cと孫Dが4分の1ずつです。

第1順位の人間がおらず、配偶者と第2順位の直系尊属のみがいる場合は配偶者が3分の2、残りの3分の1を第2順位が均等に割ります。例えば、両親と配偶者がいて子どもがいないとき、配偶者3分の2、両親6分の1ずつが法定相続分です。配偶者と第3順位の法定相続人しかいないときは、配偶者が4分の3を相続します。上記と同様に、兄弟姉妹が複数いる場合は法定相続分を人数で均等割りするのが一般的です。

相続税計算の基本

法定相続人を数えるには、まず子どもが何人いるのかを確認しましょう。子どもがいなければ親、どちらもいなければ兄弟姉妹の人数を数え、配偶者がいれば加えます。法定相続分は、まず配偶者が、残りを同じ序列の人が均等に割り振られるように計算するのが基本です。養子や相続放棄など、民法の法定相続人とは異なる部分があることに注意して計算しましょう。

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