2018.10.24
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相続

ポイントは「法人化」!個人事業主が相続税を節税する方法

(写真=goodluz/Shutterstock.com)
(写真=goodluz/Shutterstock.com)
相続は、必ずしも"個人"主体のものだけではありません。相続税対策について考える場合、個人ではなく"法人化すること"によって相続税を節税するという方法もあるのです。
近年、フリーランスをはじめとする個人事業主が増えています。
そのような個人事業主が相続をする場合、会社員よりも金融機関からの信用評価がどうしても低くなってしまうため、いざというときに、お金を用意するのが難しいケースが少なくありません。そうした事情も見越して、"法人化"  による相続税の節税について検討しておきましょう。

相続税を節税するなら「法人化」がお得

相続税を節税するという観点で考えるのであれば、個人事業主は法人化した方がお得になります。なぜなら、個人事業主のままでは自らの資産を個人の財産としてそのまま相続させざるを得ませんが、法人化することによって、"法人の財産"として扱うことができるからです。そして、法人本体の財産に関しては、相続税の対象とはなりません。

そもそも相続税とは、相続や遺言によって遺産を受け継ぐ際に課せられる税金のことです。個人事業主として得た資産を次の世代へと引き継ぐ場合には、基礎控除を超える部分では、どうしても相続税がかかってしまいます。一方、法人を設立し親族(相続人)を役員にして役員報酬を支払うことで、財産を法人から個人へと"事業を引き継ぐ"かたちで受け渡せば、法人の財産などには相続税が課税されなくなるというわけです。

また、あらかじめ設立する会社の株主を引き継ぐ相手(後継者や子どもなど)の名義にしておけば、株式の譲渡にかかる相続税についても節税メリットを得られることとなります。

個人事業主は法人化を検討しよう

このように、自営業やフリーランスとして事業を行っている個人事業主は、法人化することによって相続税対策をすることができます。その仕組みについて、個人と法人の違いや、法人化の意義、さらには法人化の方法も含めて見ていきましょう。

・個人事業と法人の違い
そもそも、個人事業と法人は別人格になります。たとえ、これまで個人事業として行ってきた事業を、そのまま法人化して継続したとしても、個人と法人はまったくの別人格になると考えられます。その点、すでに述べているように、同じ収益でも取り扱いが大きく異なると考えていいでしょう。とくに、相続税の節税には大きな効果を発揮することとなります。

・「法人化」とは
「法人化」とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。法人化とは、これまで個人事業主として事業を展開してきた人が、法人を設立して事業を継続することです。節税の観点から考えると、売り上げが年間約1,000万円超であれば、法人の税率と個人の所得税税率の差から節税メリットが出てくるとされています。もちろん、相続税の節税効果は金額を問いません。

・法人化をする際の注意点
そのように大きな節税効果を見込める法人化ですが、一方で、注意しなければならない点もあります。それは、法人を設立する際に、費用や手続きが必要になるということです。ただ、最近では以前よりも低価格で簡単に株式会社を設立できるサービスなども増えています。事業の状況や資金状況をふまえたうえで、節税を見越した法人化を検討してみましょう。

法人ならではの仕組みも理解しておこう

個人事業主として事業をしていない人であっても、法人化によって相続税を節税できる場合があります。たとえば、不動産投資をしている会社員の方が、法人を設立し収益物件を法人名義にして不動産投資を行うなどのケースです。配偶者や子などの親族を法人の役員にして、得られた収益を役員報酬で分けると、早くから資産を移転することででき、相続税をおさえることができます。
また、不動産を相続する際にも、個人で不動産を所有している場合は不動産の評価額に対して相続税がかかりますが、法人の所有している不動産に対して相続税はかかりません。法人の株主であるオーナーが所有していた非上場株式に対して相続税がかかりますが、あらかじめ被相続人の株式の保有割合を低くしておけば相続税はおさえられます。
ただし、これらの仕組みを活用するにも役員や従業員の社会保険料がかかったり、利益の有無に関わらず法人住民税の均等割がかかる等のデメリットもあります。法人の仕組みについて理解し、会社経営するという意識で法人を活用していきましょう。
 

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