2018.12.7
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相続

仕組みを知れば難しくない!よくある法定相続人ケース別の相続税の計算パターンを理解しよう

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
「相続税の計算は非常に難しい」「自分で計算することはできない」。そのように考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、相続税の計算を敬遠していては、相続時の支出がどのくらいになるのかを把握することはできません。また、イメージとしてざっくり理解していることで、おおよその納税額を把握しておくことは非常に重要です。

そこで、あらためて相続税の計算にトライしてみましょう。計算の仕組みさえ理解してしまえば、それほど難しいことはありません。とくに、相続税の計算にはいくつかのパターンがあります。それらのパターンのうち、自分がどのようなタイプに当てはまるのかを理解しておきましょう。

まずは、相続税の算出パターンを把握しよう

前提として、相続税算出の全体像について見ていきましょう。そもそも相続税の計算において欠かせないのは、「課税価格の合計額」と「基礎控除額」です。課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、そこから具体的な相続税の納税額を求めることが基本となります。その点、基礎控除額が課税価格の合計額を上回っている場合であれば、相続税はかかりません。

現状、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」によって求めることができます。たとえば、法定相続人が3人いた場合を想定すると、基礎控除額は4,800万円。つまり、課税価格の合計額が4,800万円未満であれば、相続税はかからないこととなります。一方で4,800万円を超える遺産がある場合には、控除した金額から、個別に計算していきます。

具体的な相続税の計算パターン

では、具体的な相続の計算パターンをいくつか見ていきましょう。代表的なものとして、「配偶者のみの場合」「配偶者と子ども1人の場合」「兄弟姉妹がいる場合」を取り上げます。それぞれの状況に応じて、課税遺産総額がどのように変化するのかをチェックしてみてください。

・配偶者のみの場合
夫が1億円の資産を残して亡くなり、配偶者のみがその1億円を相続したケースです。基礎控除額は3,600万円なので、課税遺産総額は6,400万円です。ただし、配偶者の場合は「1億6,000万円」もしくは「配偶者の法定相続分相当額」まで相続税がかからないという規定があるため、配偶者のみが相続人となる今回のケースでは、相続税がかからないこととなります。配偶者の税額軽減は申告が必要なため注意が必要です。

※「配偶者の税額の軽減」国税庁

・配偶者と子ども1人の場合
次に、配偶者と子ども1人が夫の遺産1億円を相続するケースについて考えてみましょう。基礎控除額は4,200万円となるため、課税遺産総額は5,800万円となります。法定相続分で分割すると、配偶者と子どもはともに2分の1ずつの2,900万円。この金額を相続税の速算表に当てはめると、「2,900万×15%-50万=385万円」という計算になります。

その結果、配偶者と子どもの相続税額はそれぞれ385万円となりますが、配偶者の場合は税額軽減が適用されるため、結果的に相続税を納める必要はありません。
 
※「相続税の税率」国税庁

・兄弟姉妹が2人いる場合
両親も子どももいない場合、第3順位の相続人は「兄弟姉妹」となります。ここでは、兄弟姉妹が2人いる場合で考えてみましょう。遺産は同じく1億円です。まず、基礎控除額は4, 800万円となるため、課税遺産総額は5,200万円です。法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となるため、配偶者が3,900万円、兄弟姉妹がそれぞれ650万円ずつとなります。相続税の速算表を確認すると、配偶者と兄弟姉妹の相続税額は「3,900万×20%-200万=580万」「650万×10%=65万円」と計算できます。

その結果、課税総額は710万円となります。この課税総額を法定相続分で割ると、配偶者が532.5万円、兄弟姉妹が177.5万円(各88.75万円)となります。配偶者に税額軽減が適用されるのは先ほどと同様です。

よくあるケースを知っておくこと

このように、法定相続人のケース別の相続税の計算パターンを把握しておけば、それほど複雑な計算をする必要はありません。遺産総額を正しく試算したうえで、控除額や税額をきちんと当てはめて、順番に計算してみましょう。よくあるケースを知っておけば、イメージもつきやすくなります。

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