2019.10.18
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相続

相続対策で外せない3つのこととは?

(画像=eelnosiva/Shutterstock.com)
(画像=eelnosiva/Shutterstock.com)

相続対策で外せない3つのこととは?

相続対策をしなくてはいけないと思っても、何をしたらいいかわからないのでとりあえず勉強会に参加しました、と言う声をよく聞きます。今回は、相続について考え始めた人がまずやった方がいいことを3つお伝えします。

自分や親に万一のことがあったらどうなるか?をイメージする

当然ですが、自分あるいは身近な人が亡くなることって、普段の生活では考えませんよね。相続のことに興味関心がある方は税金などのことを意識して調べ始める方がとても多いのですが、実は自分が亡くなってしまったら、あるいは親がそうなってしまったら具体的にどうする?というところをまずイメージすることがとても重要です。
イメージすると、「これが困るよね」「あれが困るよね」と現状の把握ができてきます。「自宅や畑は兄弟でどう分ければいいのかな」とか「このアパートは収益が悪いからこのまま相続させるのは良くないだろう」といった具体的な課題も見えてくるはずです。もし今日亡くなったら、明日亡くなったらどうなるかという想定をすることが、まず最初の一歩です。

多くの人が事前準備をしておらず相続の際に苦労している

相続事例では「突然亡くなってしまって何もしていなかったのでどうしよう」という方が多くいらっしゃいます。
「まだまだうちの親も元気だし大丈夫でしょ」と思っていた方が、突然親御様が亡くなられて自分が急に相続しなくてはいけない立場になる。
事前準備も全くしていない中で苦労される、場合によってはトラブルになるということが本当によくあります。

相続について本気で考えてみるのは「元気なうちに」がポイント

随分前の話ですが、私自身が交通事故を起こしてしまったことがあります。その時に「まずい。ここで私が死んだら、家族はどうするんだろう…」って救急車の中で本気で考えました。いざという時になって初めて考えるんですね。最近ですと癌の余命宣告を受けた時に初めて本気で考える方が多いです。
ですが、余命宣告を受けてから冷静に考えられるようになるまでには相当時間がかかります。
当たり前ですよね。
どうやったら生きられるのかの方がはるかに大切です。
ですから、本来は元気のあるうちに相続について考える必要があるのです。気持ちに余裕があれば、冷静に考えることができます。
考えておけば、体調が悪い時には回復に専念することもできます。

自分、そして残された家族にとってのより良い相続対策を

相続は、自分にとってどうかももちろんありますが、残された家族がどうなるかを考えなくてはなりません。
相続を考えるということは、資産を移すことだけではなくて場合よっては家族に対してこれを言っておけばよかったなということも伝えられる機会だということです。
そう言った言葉を残しておくということも重要です。
不動産を何とかしておきましょう・税金対策しておきましょうということだけではなく、家族へのメッセージを残したり持っていた資産で厄介なものは対策をしておいたり、残された家族のことを思うと、やるべきことは本当にたくさんあるのです。

遺言書を作成する

次に重要なことは、遺言書を作成することです。資産家にしか必要ないと思われている方も多いと思いますが、実際にはそんなことはありません。
第三者の目から見ても明らかな遺言書が残っているかどうかで、相続での争いを避けることができます。

遺言書があると相続がスムーズに進む

私の家では、義理の母がなくなった時は、随分と前から自分が死ぬ時のことを想定して、ノートに書いてありました。
お墓はこうしてほしい、葬儀はこうしてくれというようなことです。
それ以外にも、資産はここにこのように残してある、保険はこうなっているということを全部書いてくれていました。
例えば「お墓はどうしようか?」となった時に家族内では「やっぱりあったほうがいいよね」「どうしようか」と悩むのですが、そこに本人の言葉で「お墓はいらない」というメッセージが残されていると、家族内での勝手な意見や思い込みがなくなりスムーズに話が決まっていきます。
遺言の中に「財産分与で家族で争って欲しくない」といった一文がありますと、はっと我に返ったりもします。
そういった意味で、本人からのメッセージは必要なのです。

第三者が見てもわかる遺言書という形が重要

生前に口頭で伝える、という形を取る方もいらっしゃいますが、遺言書として書いて残してあることが大切です。
相続の際は悲しみや不安など色々な感情が出てきますので、感情論にもなりがちです。
しかし、遺言書として、遺す人の「思い」の伝わるものが残っていることで、争うことなく、幸せな相続ができるようになります。
それがないと延々と争い続けることもあります。
もう親の話なんて出て来ず、ずっと争い続けてしまうのです。

相続争いは、子供の兄弟喧嘩に似ている

私が今まで相談に乗ってきた相続相談では、家族内での争いとなっているケースもありました。
財産の大小は関係ありません。実家1つに対して兄弟が争っていることもあります。話を客観的に見ていると、小さいことのように感じても、本人たちは必死です。
子供の兄弟喧嘩と違って、知識や経済的なことがあるのでおおごとに発展してしまいます。
もし、子供だったら親が「こら!やめなさい!」と言って終わる話なのですが、もう親がいないのです。
それで収まりがつかなくなってしまうケースが多々あります。遺言書は、親からの言葉なので、遺言書があれば兄弟喧嘩の落とし所になる。そういう意味もあります。

資産の状況を把握する

資産をどのように分けるかを考えるためには、今資産がどのような状態であるのかを把握する必要があります。
ここでは、主に不動産資産の把握についてお伝えしていきます。

不動産の評価は分かりづらい

例えば実家を売却したとして、いくらになるのでしょうか。
賃貸アパート経営をしていたり、畑を持っていたり、複数の不動産を所有している場合はさらに複雑です。
一般の方の手元には大抵、権利書と固定資産の納税通知書くらいしか不動産に関する書面はありません。それらは、物件単位でばらばらに存在していますので、まずは集約していきながら、どんな不動産が存在し相続評価はどれくらいで収益性はどうなのか、といったことを整理する必要があります。

ROA診断で不動産単位ごとに評価する

現状把握をするために、不動産単位ごとに評価をしていく手法として「ROA診断」というものがあります。これが現状把握にはおすすめです。基本的にはROA診断は不動産コンサルタントがお客様の資産の内容を現状把握をするために行なっているものなので、専門書籍などは多くはないのですが、少し勉強すれば一般の方でも実施することができます。

終わりに

今回は、やるべきこと3つをお話しさせていただきましたが、どれも皆さまが「相続対策」として思い描いているようなものではなく、その事前準備のようにみえるものだったかもしれません。ですが、これらこそが相続の前にぜひやっていただきたい事項です。多くの方は、相続といっても何をしたらいいかわからないという方ばかりだと思います。
そして相続対策は、実は「全員がこれをやれば大丈夫」というものはなく、状況や希望に応じて異なります。私の行なっている相続相談や対策提案も、皆さまオーダーメイドです。
ですから皆さまの思いをつなぐために、まずは準備を行なうことをおすすめします。
それこそが、ぜひやった方がいい相続対策です。

【今回記事を執筆いただきました担当者】

<大澤健司さんプロフィール>
茨城県で不動産売買・開発、賃貸管理に従事。「不動産オーナーとの信頼を強固なものにしたい」との想いから、社長に進言して不動産相続コンサルティングの部署を立ち上げる。2016 年に独立後、千葉県柏市に拠点を移し、相続コンサルティング、資産有効活用・賃貸経営に関するアドバイスなど、不動産オーナーに特化した総合不動産コンサルティングを行う。“地域の相談窓口”を目指すべく、相続勉強会、賃貸経営勉強会なども積極的に実施している。


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