2020.2.21
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相続

相続税で注意したい「控除」5つ

(画像=supawat bursuk/Shutterstock.com)
(画像=supawat bursuk/Shutterstock.com)
相続税の節税というと「財産評価をいかに抑えるか」に意識が向きがちですが、控除制度をしっかり使うことも節税の要だといえます。今回は、相続税での控除制度をざっとおさらいします。

自分で計算するなら「控除」を忘れずに

相続税の計算を自分で行う世帯もあるでしょう。相続税のハウツー本の影響からか、相続税の節税というと「いかに財産評価を低く抑えるか」に焦点が置かれがちです。ただ財産評価ばかりに意識を向けていると、本来適用できるはずの控除制度を見落とすことになりかねません。相続税法では他の税法と同じく社会的な配慮や税の公平性の観点から、複数の控除制度を設けています。

相続税の節税を考えるならば、財産評価だけでなく控除制度にも目を向けるようにしてみましょう。
 

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税額から差し引ける控除5つ

次の5つの控除制度に該当する場合には、一定金額を自分が本来納めるべき相続税額から差し引くことができます。

贈与税額控除

贈与税額控除とは、相続財産に加算された贈与財産について、すでに納めている贈与税があるならば、その贈与税額を相続税額から差し引くことができるというものです。通常、相続税の計算においては相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産で暦年課税制度の適用を受けるものについては、相続財産の価額に贈与財産の贈与時の時価を加算します。

ただ贈与財産を加算したまま相続税額を計算すると、一つの贈与財産について二重課税になってしまいます。そのため加算対象となった贈与財産については、納めた贈与税額を控除します。控除できる税額はあくまでも本来納付すべき税額であり、利子税や延滞税といった付帯税は含みません。なお、ここでいう贈与税額控除には相続時精算課税制度での贈与税を含みません。

未成年者控除

未成年者控除とは、未成年者が相続人である場合に一定額を相続税額から控除できる制度です。未成年者は一般的に成人になるまでの間養育を受けています。そのため、教育費に関して配慮する必要があるのです。具体的には、次の要件を満たす必要があります。

・相続や遺贈による財産取得時に、日本国内に住所を有していること
(仮に相続や遺贈の時に日本国内にたまたま住所を有していなかったとしても、その相続人が一時居住者でなく、かつ被相続人が一時居住者あるいは非居住者でなければOK)
・相続や遺贈による財産取得時において20歳未満であること
・相続や遺贈によって財産を取得した本人が法定相続人であること

なお、未成年者控除において税額から差し引ける金額は「(20歳-相続等で財産を取得した時の年齢(1年未満の端数は切り捨て))×10万円」となります。

障害者控除

障害者控除とは、相続人が85歳未満の障害者である場合に一定額を相続税額から控除できる制度です。障害者控除を受けるためには、相続人が次の要件を満たす必要があります。

・相続や遺贈による財産取得時に日本国内に住所を有していること
(相続人本人が一時居住者であり、かつ、被相続人が相続開始時において一時居住者あるいは非居住者に該当する場合は除く)
・相続や遺贈による財産取得時に障害者であること
・相続や遺贈によって財産を取得した本人が法定相続人であること

なお、上記でいう「障害者」には一般障害者と特別障害者で違いがあります。障害者控除の金額もこれらの区分に応じており、一般障害者に該当する場合は「(85歳-相続等で財産を取得した時の年齢(1年未満の端数は切り捨て))×10万円」です。特別障害者に該当する場合には「(85歳-相続等で財産を取得した時の年齢(1年未満の端数は切り捨て))×20万円」となります。

一般障害者と特別障害者のそれぞれの範囲については国税庁のウェブサイトをご覧ください。
国税庁ウェブサイト「一般障害者の範囲」「特別障害者の範囲」

相次相続控除

相次相続控除とは、10年以内に立て続けに相続が発生した場合に受けられる控除制度になります。具体的には、次の要件を満たすことが必要です。

・被相続人の相続人であること(相続放棄した人や相続権を失った人が仮に遺贈で財産を取得しても適用は受けられません)
・今回の相続開始前10年以内に始まった相続で今回の相続における被相続人(今回亡くなった人)が財産を取得していること
・今回の相続開始前10年以内に始まった相続で取得した財産につき、今回の相続における被相続人(今回亡くなった人)が相続税を納付していること

控除できる金額は「今回亡くなった人が前回の相続の際に納付した相続税額のうち、『前回の相続から今回の相続までの経過年数』×10%部分を減額した金額」となります。

外国税額控除

外国に財産がある場合、通常、その財産の所在する国と日本の両方の国から相続税が課税されます。この二重課税を排除するため、相続税では外国税額控除制度が設けられているのです。相続税から差し引く金額は、次のいずれか少ない方の金額となります。

・財産の所在地国で支払った相続税に相当する金額
・日本の相続税額×国外財産の金額÷相続人の相続財産の総額

税額が低くなる制度にも気をつけよう

相続では、相続時精算課税制度を適用した贈与財産についての贈与税額の控除や配偶者の税額軽減といった制度があります。財産評価にだけ意識を向けるのではなく、控除制度を含めた全体的な税額計算に抜け漏れがないかどうかをチェックするようにしましょう。
 

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