2020.4.10
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相続

相続した農地の売却方法~農地転用後に売却

(画像=Jennifer Bosvert/Shutterstock.com)
(画像=Jennifer Bosvert/Shutterstock.com)
農業を継ぐ人がいない、相続税の納税資金を確保したい、等の理由で相続した農地の売却を検討することがあると思います。

しかし相続発生後に売却の準備を始めては遅い場合があり、農地を相続する予定がある場合には事前に様々な確認等をしておく必要があります。今回は相続した農地を転用して売却する場合の手続き等についてお伝えします。

農地転用とは

農地転用とは、農地を宅地等他の「地目」に変更することを指します。地目はその土地の用途によって田・畑・学校用地・鉄道用地等、不動産登記規則によって23種類に区分されています。地目が田・畑等の農地の場合には住宅を建築することはできず、その土地の利用形態に制限があります。 売却をする場合にも農業委員会等の許可が必要となり、売却先も農業従事者等に限られており、様々な制約が設けられています。これは農地や農業従事者の保護等を目的とした「農地法」に基づくものです。

農地を相続した人が農業を営まない場合には、農地の様々な制約によって土地を有効に活用できないケースも想定されます。このような場合に農地転用をする、または農地転用して売却する、という方法が考えられます。

ただし全ての農地が転用できるわけではなく、次の2つの基準によって農地転用が許可されるかが定められています。

1.立地基準:農地の5区分に応じた許可基準

・生産性の高い優良農地
①農用地区域内農地:原則不許可
市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地

②甲種農地:原則不許可
市街化調整区域内にある特に良好な営農条件を備えている農地で、農業公共投資後8年以内の農地、おおむね10ha以上の集団農地で高性能農業機械での営農が可能な農地

③第一種農地:原則不許可
良好な営農条件を備えている農地で、おおむね10ha以上の集団農地、農業公共投資対象農地、生産力の高い農地

・小集団の未整備農地又は市街地近郊農地
④第二種農地:状況に応じて許可
農業公共投資の対象となっていない小集団の生産力の低い農地、鉄道の駅・市町村役場等が500m以内にある等市街地として発展する可能性のある区域内の農地

・市街地の農地
⑤第三種農地:原則許可
市街地にある区域内の農地、鉄道の駅・市町村役場等が300m以内にある等都市的整備がされた区域内の農地

2.一般基準:次に該当する場合には原則許可

①申請する用途に供することが確実と認められる
②周辺の農地の営農条件に支障が生じる恐れが無い
③農地の利用の集積に支障を及ぼす場合
④一時転用の場合には農地への原状回復が確実と認められる

一部例外はありますが、このような基準を満たした農地が転用申請の手続きを行うことができます。

農地転用の手続きはどのように行う?

農地転用して売却する場合は、農地の売主と買主が連署で申請する必要があります。
申請書に土地の地図及び全部事項証明書、土地に建築する建物や道路の図面、買主が融資を受ける場合にはその証明書等を添付します。

申請書類は、農地が4ha以下の場合は農業委員会に提出し都道府県知事から許可、4haを超える場合には都道府県知事に提出し農林水産大臣から許可を得ることになります。

なお市街化区域内の農地については農業委員会への届出で転用が可能となっています。

転用が許可された後に所有権の移転登記が行われ買主が工事等を進め、完了後に実施報告を行います。万が一転用許可の条件に違反した工事等が行われた場合には、是正の指導や工事中止の勧告等を受けることになり、それに従わない場合には許可の取り消しや原状回復命令、行政代執行や罰則等の重い処分を受けることになりますので、申請内容通りの工事等を行う必要があることは言うまでもありません。

売却を検討する際の注意点

農地転用をして売却をする際は、該当地が基準を満たしているかどうか事前に確認しておくことはもちろん、買主を探しておく必要もあります。農地のような広大な土地を購入検討するのは、個人ではなく開発行為等を行う業者や製造業を営む業者などがほとんどですので、立地条件や大きさ等、その農地の条件が業者のニーズに合うかどうかが売却できるかのポイントとなります。

特に相続税の納税資金の確保を目的とする場合には、相続発生前から準備等を進めておくことが必要となります。
 

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