2020.7.7
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相続

死期が近い時「危急時」の遺言とはどのようなものか

(画像=fizkes/stock.adobe.com)
(画像=fizkes/stock.adobe.com)
遺言は、遺言者が死後に「自身の財産をどのように分割するのか」「財産を誰に相続させるのか」などの意思を生前の内に表明するもので、これを一定のルールに沿って記した遺言書という形で残されます。記載内容を熟考して作成するのが一般的ですが、そうでないケースで作成することも想定されます。今回は病気などで死期が迫っている場合に作成する「危急時の遺言」について確認していきましょう。

遺言には2種類の方式がある

一般的な遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つの方法があります。これらは「普通方式の遺言」になります。

“民法
(普通の方式による遺言の種類)
第九百六十七条 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない”

出典:電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ) ただし普通方式の遺言の他に上記の通り「特別な方式」の遺言もあります。特別な方式の遺言は「死亡の危急に迫った者の遺言」「伝染病隔離者の遺言」「在船者の遺言」「船舶遭難者の遺言」の4つです。そこで今回はこのうち「危急時の遺言」である「死亡の危急に迫った者の遺言」「船舶遭難者の遺言」について解説します。

危急時の遺言1~「死亡の危急に迫った者の遺言」とは

“民法
(死亡の危急に迫った者の遺言)
第九百七十六条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない”

出典:電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)

こちらは一般危急時遺言とも呼ばれ病気などで死期が迫っている場合に作成される遺言です。

・証人3人以上の立ち会い
・遺言者が遺言の趣旨を証人の1人に口授する
・口授を受けた証人が、これを筆記して遺言者および他の証人に読んだり閲覧させたりする
・証人全員がその筆記内容の正確さを承認したあと署名押印する

上記のようなポイントを踏まえたうえで作成します。この遺言が作成された日から20日以内に証人の1人または相続人などの利害関係人が家庭裁判所に請求してその確認を得ることで、その効力が生じることになります。
 

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危急時の遺言2~「船舶遭難者の遺言」とは

“民法
(船舶遭難者の遺言)
第九百七十九条 船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる”

出典:電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)

こちらは難船危急時遺言とも呼ばれ船舶の遭難の場合で死亡の危急が迫っている場合に作成される遺言です。以下のポイントを押さえて作成されます。

・証人2人以上の立ち会い
・遺言者が口頭で遺言
・証人が遺言の内容を筆記して署名押印する

こちらは遺言が作成された日から遅延なく証人の1人または相続人などの利害関係人が家庭裁判所に請求してその確認を得ることで、その効力が生じます。ただしこれら2つの遺言が作成された後に遺言者が死亡の危機や船舶の遭難から脱した場合、普通の方式による遺言の作成も可能です。このときから6ヵ月間生存した場合には、特別の方式によって作成された遺言の効力は無効となります。

“民法
(特別の方式による遺言の効力)
第九百八十三条 第九百七十六条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない”

出典:電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)

あまりこのような遺言を作成することはないかもしれませんが生命の危機に直面した場合には、特別の方式による遺言で自身の意思を相続人などに遺すことが可能ですので、覚えておきましょう。
 

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