2020.9.13
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相続

コロナで生前贈与を行った人が突然死……。この場合、相続税対策は活きている?

(画像=takasu/stock.adobe.com)
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新型コロナウイルスが猛威を振るい、感染による突然死を心配する人も増えてきました。贈与や相続を意識し、あわてて相続税対策として生前贈与を行う人もいますが、それで本当に安心と言えるのでしょうか。今回は、突然死した場合に生前贈与が相続税対策として活きるかどうかについて見ていきます。

贈与してすぐに贈与者が死亡した場合は相続税対策にならないことがある

生前贈与で最も重要なことは、それが「相続税対策として活きていること」です。相続税の課税対象は、相続財産だけではありません。生きている間に贈与された財産も、課税対象になることがあります。特に死の間際の贈与は、相続税対策にならない可能性が高いのです。

死亡日前3年以内の贈与は相続財産に加算

相続税法は、相続税逃れのための贈与を防ぐために「生前贈与加算」という規定を設けています。生前贈与加算とは、財産の持ち主の死亡日以前3年間に相続人や受遺者に贈与した財産は、相続税の課税対象に含めるというものです。

受けた贈与について支払った贈与税は相続税から差し引かれますが、加算の対象には110万円以下の贈与も含まれます。そのため贈与税0円、相続税0円のつもりで少額贈与をしても、タイミングを間違うと相続税がかかってしまうのです。

ただし死亡日以前3年間に贈与をしても、生前贈与加算がされないものもあります。

(1)孫や姪など相続人や受遺者ではない人への贈与
(2)教育資金の贈与税の非課税措置
(3)結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置
(4)特定障害者扶養信託契約
(5)おしどり贈与
(6)住宅取得等資金の贈与税の非課税措置

上記の制度を使って贈与すれば、贈与後3年以内に亡くなっても相続税が課されることはありません。ただし、(2)と(3)は注意が必要です。信託銀行に預けた贈与財産が贈与者の死亡時に使い切れていないと、相続税が課税されてしまいます。
 

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死亡した年の贈与は贈与税ではなく相続税の課税対象

亡くなった年に受けた生前贈与は、特に注意が必要です。亡くなった年に相続人や受遺者に贈与された財産は、最初から相続財産として扱われます。贈与財産が高額であっても、贈与税ではなく相続税の課税対象となるのです。年初の贈与を検討しているなら、贈与者の死亡リスクも考慮する必要があるのです。

急ぎの生命保険契約も相続財産に加算される

「自分の亡き後、納税資金に困らないように」と家族を受取人とする生命保険を契約する人もいるでしょう。生命保険金は民法上の相続財産や贈与財産ではありませんが、税法上は「みなし相続」「みなし贈与」として扱われます。

亡き人が保険料負担者となり、相続人や受遺者が保険金の受取人である生命保険は、保険金の受取時期によって以下のように扱いが変わってくるからです。

▽保険金の受取時期が保険料負担者の死亡日以前3年より前であるもの
・贈与税の生前贈与加算なし、相続税なし

▽保険金の受取時期が保険料負担者の死亡日以前3年以内であるもの
・贈与税の生前贈与加算あり、相続税なし

▽保険金の受取時期が保険料負担者の死亡日以後であるもの
・贈与税の生前贈与加算なし、相続税あり

なお、死亡時に相続人が保険金を受け取れるようにすれば、「500万円×法定相続人の数」の金額までは相続税が非課税になります。保険金を家族に残したいと思うなら、死亡保険金の額を検討しましょう。

親からの借金の帳消しや肩代わりも要注意

「死ぬ前にわが子の負担を減らしてあげたい」「子の負担軽減に自分の財産を減らせば、相続税が少なくなる」と思って生前に子どもの借金を帳消しにしたり、肩代わりをしてあげたりする人もいるかもしれません。

これらは財産を贈与する行為ではありませんが、税法上は借金という負担がなくなることで子は経済的な利益を受けたとみなされ、親から子へのみなし贈与として贈与税の課税対象になります。これが親の死亡日以前3年間に行われたものならば、やはり生前贈与加算の対象となり、相続税が生じる可能性があります。

相続対策は「計画性」が第一

死ぬ間際の生前贈与で相続税対策になるものは、限られてしまうことがおわかりいただけたかと思います。確実に相続税を減らすためにも、かつ子どもの負担がないように贈与をするためにも計画的に行っていく必要があります。相続税対策は、長期的な計画を立て、無理なく少しずつ実行するようにしましょう。
 

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