2020.9.14
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相続

コロナ禍のなか、相続税が払えないときの対処法

(画像=rrice/stock.adobe.com)
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経済危機はいつ起こるかわかりません。2020年に起きた新型コロナウイルスの影響で、経済的に困窮しているようなときに相続税の納期を迎えたなら、いったいどうすればよいでしょうか。本稿では、相続税の支払いがむずかしい場合の対処法について詳しく解説します。

相続税を期限までに納めないとどうなる?

相続税は、相続が発生した翌日から10ヵ月以内に納税する決まりになっています。相続税は原則として現金で納付しなければならないため、お金を工面できたのが納付期限間近という人も少なくないはずです。相続のタイミングによっては、3~5月に納付期限を迎える人もいるでしょう。

2020年は春先に新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府による外出自粛・営業自粛要請によって収入が減り、経済的に困窮する人が続出しました。貯金を取り崩して生活した結果、相続税の支払いに充てる現金がなくなってしまったというケースも考えられます。

今回の新型コロナウイルスの影響で相続税の納税が難しくなった人に対して、国は個別延長を認めています。個別延長の条件や手続方法を、国税庁が公表している「相続税の納付期限に係る個別指定による期限延長手続きに関するFAQ」で確認しておきましょう。

【参考】国税庁 新型コロナウイルス感染症に関する対応等について

新型コロナウイルスの影響により、申告・納付期限の延期は認められましたが「申告・納付ができないやむを得ない理由がやんだ日から2か月以内の日を指定する」と記されており、やはり納付は目の前に迫っている、というケースもあるでしょう。もし相続税を期限までに申告・納税しない場合は、下表のような加算税を課せられることになります。

▽相続税を期限までに申告、納税しない場合にかかる加算税の例
  • 無申告加算税:申告期限までに申告をしなかった場合
  • 過少申告加算税:本来の納付額よりも少なく申告した場合
  • 重加算税:故意に申告しなかった、または過少に申告した場合
  • 延滞税:申告期限までに相続税を納付しなかった場合
期限までにきちんと申告していれば上3つの加算税が課されることはありません。まずは申告を済ませておきましょう。納付はあとから銀行の窓口でも行なえます。問題は、期限までに納付できなかった場合に課される延滞税です。その税額は、納付期限から2カ月以内が2.8%で、2カ月を超えると9.1%の高率に跳ね上がります。そこで、どうしても納付する現金がない場合は、次のような対処法を考えなければなりません。
 

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相続税の延納

1つは、「相続税の延納」を申請する方法です。国税庁のホームページには、「相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。」と書かれています。ただし延納を申請するためには、以下の条件を満たす必要があります。
  • 相続税額が10万円を超えること
  • 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつその納付を困難とする金額の範囲内であること
  • 延納税額および利子税の額に相当する担保を提供すること
  • 延納申請に係る相続税の納期限または納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署に提出すること
「延納税額および利子税の額に相当する担保を提供すること」とありますが、延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下の場合は、担保を提供する必要はありません。なお延納が認められた場合は、延納利子税の支払いが生じます。

相続税の物納

相続税は物納で納めることも可能です。国税庁ホームページによれば、「相続税に限っては、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納」が認められています。物納する財産については、以下の順位で適用されます。

(1)不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等(特別の法律により法人の発行する債券及び出資証券を含むが、短期社債等は除く)
(2)不動産及び上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
(3)非上場株式等(特別の法律により法人の発行する債券及び出資証券を含むが、短期社債等は除く)
(4)非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
(5)動産

その他の対処法

延納・物納を申請する前にできる対処法もいくつかあります。1つは、相続財産の不動産等を売却して納税資金に充てる方法です。この場合は、他の相続人との間で遺産分割協議が完了している必要があります。

もう1つとしては、低金利下でもあることから、銀行から借り入れるのも有効な方法です。不動産等を手放さずに納税資金を借りる、あるいは不動産の売却先が決まるまでの期間、つなぎとして借りる等の対処が可能です。

新型コロナウイルスは外出自粛や経済的困窮をもたらし、多くの人を苦しめていますが、相続税の支払いが困難になっても、決して諦めることはありません。さまざまな方法がありますので、最も適した方法を選択するようにしましょう。
 

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