2020.9.16
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相続

「配偶者の税額軽減」とは?1億6,000万円までが非課税に

(画像=picsfive/stock.adobe.com)
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配偶者が相続した遺産の一定額までは相続税がかからない「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」という制度をご存じでしょうか。相続に関する制度としては、利用する人の比較的多い制度です。そこで今回は配偶者の税額軽減制度についておさらいしてみましょう。

ほとんどの配偶者はまったく相続税が課税されない!

配偶者の税額軽減(配偶者控除)とは、亡くなった人の配偶者が遺産分割や遺贈により取得した遺産額が以下の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。
  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額
例えば被相続人が夫で相続人が妻と長男の2人、遺産総額が5億円で遺産分割により配偶者が2億5,000万円を相続したとします。この場合、配偶者が相続した額は法定相続分の2分の1相当額なので上記の「配偶者の法定相続分相当額」に当てはまり配偶者の相続税の支払いはありません。つまり遺産分割後に取得した遺産額が「1億6,000万円以下」「法定相続分に相当する額以下」であれば配偶者には相続税の負担は発生しないということです。

ちなみに配偶者とは、戸籍上の配偶者(婚姻の届出を出した人)のことを指します。婚姻期間についての決まりは特にありません。事実婚など内縁関係にあるパートナーは法律上配偶者ではなく配偶者の税額軽減条件の対象外となるため注意が必要です。
 

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配偶者の税額軽減を受けるための手続き

配偶者の税額軽減は大きく活用できる制度ですが、必ず相続税の申告書を税務署に提出する手続きが必要です。配偶者の税額軽減を差し引き納付する相続税が0円になるからといって申告の手続きをしないことは認められません。逆にいえば申告しない場合は通常通り相続税がかかることになるため、しっかりと押さえておきたいポイントです。

申告の際は、戸籍謄本や遺言書の写し、遺産分割協議書の写しなど取得した財産がわかる書類を添付する必要があります。そもそも申告書を提出するためには、「それまでに遺産分割を行い、いくらの遺産を相続するか」について確定しなければなりません。取得が確定していない遺産については、配偶者の税額軽減の対象に含めることができないので注意が必要です。

相続税の申告期限に遺産分割が間に合わなかった場合は?

「申告期限までに一部の財産の分割方法が決まらない」というケースもあります。その場合でも一定の手続きを行えば配偶者の税額軽減を受けることが可能です。具体的には申告の際「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付します。この見込み書を提出しておけば、申告期限から3年以内に分割した遺産についても、あらためて申告をしなおすことで配偶者の税額軽減の対象になります。

もしも3年の期限を過ぎてもやむを得ない事情で分割協議がまとまらなさそうなときは、税務署長の承認を受けることで少し猶予をもらえます。やむを得ない事情がなくなった日の翌日から4ヵ月以内に分割協議が終了すれば、配偶者の税額軽減を受けることが可能です。

2次相続までを考えて検討しよう

配偶者の税額軽減制度を使うことで、ほとんどの配偶者は相続税の納付負担をせずに被相続人の遺産を相続することが可能です。自分の取得割合を法定相続分より増やしたとしても配偶者の税額軽減を使えば納付税額は低く抑えることができます。被相続人の遺産総額が大きい場合、配偶者にとって配偶者の税額軽減は非常にありがたい制度です。

このように夫婦どちらかが亡くなる1次相続の場合には、配偶者の税額軽減があるおかげでトラブルに発展するケースが少ないでしょう。一方でトラブルが起こりやすいのは2次相続(両親ともに亡くなったときに受け取る相続)です。1次相続のときには相続税の負担があまりなかったとしても2次相続の際には配偶者の税額軽減が使えないため、多額の相続税がかかる可能性が高くなります。そのため相続人である子どもなどの納税負担が大きくなってしまいがちなのです。

2次相続までを考えるなら、1次相続の段階から「どのような方法で分割することがトータルでの納税額を減らすことができるのか」について入念なシミュレーションをしておく必要があるでしょう。理想をいえば1次相続が始まる前から生前贈与も組み合わせつつ、最適な相続税対策を考えていくのが賢明です。
 

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