2020.9.17
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相続

文化財建造物が建っている土地の相続税評価額は?

(画像=picture-cells/stock.adobe.com)
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歴史的に重要な家屋や芸術的に貴重な建造物など、後世に残すべき文化財は日本全国に多くあります。そのような建物を親族が先祖から代々引き継いでいて、自分が相続することになった場合、その建物が建っている土地の相続税評価額はどのように計算するのでしょうか。今回は、「文化財建造物」が建てられている土地の相続税評価について解説します。

文化財建造物とは

文化財は、文化財保護法によって「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」「文化的景観」「伝統的建造物群」に分類されています。その中でも特に重要な文化財を国が指定・選定・登録し、重点的に保全しています。国税庁が定めた「文化財建造物」は、有形文化財の中の「重要文化財」と「登録有形文化財」、伝統的建造物群の中の「伝統的建造物」の3つです。

重要文化財は有形文化財の中でも特に重要なもので、さらに世界文化の見地から特に価値の高いものは「国宝」に指定され保護されています。重要文化財と国宝は合わせて5,033ありますが、個人が所有しているものはほとんどありません。

登録有形文化財は、「文化財登録制度」によって特に保存や活用が必要とされた建造物です。代表的なものに、「東京タワー」や「大隈重信記念館」などがあります。全国で12,443の建造物が登録されていますが、こちらも個人が所有しているケースは少ないと思われます。

伝統的建造物は、城下町・宿場町・門前町などの歴史的な集落・町並みの保存が図られている「(重要)伝統的建造物群保存地区」にある建造物です。「下郷町大内宿(福島県)」や「川越市川越(埼玉県)」などがその代表で、全国で120地区が重要地区に指定されています。これらは前述の2つと比較すると、個人が所有しているものが多いと考えられます。

文化財建造物の所在地は、文化庁のHPで確認することができます。

 

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文化財建造物が立っている土地の「評価額」の計算方法

このような文化財建造物が建てられている土地を相続した場合の評価額は、まず通常の土地を相続した場合と同様に評価額を算出し、その後文化財建造物の種類に応じて以下の控除割合を掛けて算出します。
 
文化財建造物の種類 控除割合
重要文化財 0.7
登録有形文化財 0.3
伝統的建造物 0.3

評価額=通常の土地評価額×(1-控除割合)

上記は、「路線価」がある土地の評価方法です。路線価のない「倍率地域」の土地については、「固定資産税評価額×国税庁が定める倍率」で計算します。

ただし文化財建造物が建てられている土地には、固定資産税がかけられていないことがあります。その場合は、その土地と状況が類似する付近の土地の固定資産税評価額をもとに、固定資産税評価額に相当する額を算出した後に倍率を掛け、それに上記の控除割合を掛けて算出します。

評価額(倍率方式)=固定資産税評価額(相当額)×国税庁が定める倍率×(1-控除割合)

ちなみに、「文化財建造物」の相続税評価の方法も考え方は同じです。固定資産税評価額がある場合は「固定資産税評価額×(1-控除割合)」、ない場合は「(文化財建造物の再建築価額-経過年数に応ずる減価の額)×0.7×(1-控除割合)」となります。

土地の所有者にとってこの評価は妥当?

文化財建造物が建てられている土地や文化財建造物を相続した場合は、相続税評価額から一定の割合を控除できるので、通常の不動産の相続と比較すると、相続財産全体の評価額を抑えることができます。

相続人にとっては、自由に活用できない不動産であるにも関わらず相続財産として評価され、場合によっては相続税を支払うことになります。文化財を所有している場合は、相続税の他にも様々な税制優遇措置がありますが、貴重な財産を守っている所有者にとって、この評価が妥当かどうかは意見が分かれるところでしょう。
 

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