相続対策を何かしなくては、と思っても知識なくとりあえず手をつけることは危険です。
却って支出が増えたり家族にとって不幸せな結果を招くこともあります。
今回は、相続対策のよくある失敗をご紹介します。
相続対策として無計画にアパートを建てる
相続税を減らすため、生前に借金をしてアパートを建てることが相続対策としてよくあります。
現金と更地をもっているよりも、土地を活用してアパートを建てたほうが資産の評価額が大きく減額され、相続税が減らせるためです。
しかし相続した後のことをしっかりと想像して計画的に行わないと大きな失敗となることがあります。
相続時は、借金を含めたアパートが相続される
借金を作ってアパートを建てると、残された家族は借金と共に相続することとなります。
借金を返さなくてはいけないアパートを、子供たちは相続したいと思うでしょうか。
アパート経営がうまく行っていたらいいですが、もし空室も増えてきたりするとどうでしょう。親が勝手に残したもので子供たちが苦労することにもなりかねません。
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税金対策を行う場合は遺言書も合わせて作成
税金対策としてアパートを建てるのであれば、遺言書も合わせて作成することをお勧めします。
事前に相続する人を決めておかないとトラブルになりかねないからです。
さらには、アパートを建ててその後どのように運営をするのか、建てる前から相続を受け取る方と一緒に話し合いながら進めて行きましょう。
相続放棄の注意点
借金があるなら放棄してしまえばいい、ということを安易に考えがちですが、実際に相続の際に放棄を選択するのにも注意が必要です。
相続放棄をすると、相続税もかかりませんし、借金を背負うこともありません。
しかし、全ての資産を放棄することになるのです。
例えば、預金と借金のあるアパートがあった場合、預金だけ相続することはできません。
生前は「財産なんて一切いらない」と思っていたとしても、いざ目の前にお金が何百万円だけでもあったら、「いやいやちょっとは欲しいよね」と思うことも当然出てきます。
こういった事情から相続放棄はトラブルになるケースも多いです。
相続放棄は相続が発生してから3ヶ月以内
多くの方が、生前に相続のことについて考えることがないのが現状です。
亡くなられてからも、すぐに対策をして進められるかというと、そうではありません。
実際亡くなったら、いきなり財産をどう分けるかという話をする気になれませんし、切り出すタイミングも難しいです。
四十九日を超えてから相談に来られる方も多いのですが、その時点で相続が発生してから1ヵ月半経過しています。
そうしますと、残り1ヵ月半で財産の状況を調べるのですが調べることにも時間がかかります。
借金があることがわかって放棄をしようと思った時には3ヶ月過ぎてしまってもう間に合わないという場合もあります。
それで裁判を起こすケースもよくあります。
「3ヶ月過ぎたら放棄できないことを知らなかった」
「こんなに借金があることを知らなかった」
として訴えて、まだ一切財産に手をつけておらず色々なことが加味され場合によっては認められるケースもありますが、かなり稀です。
ほとんどのケースが「借金が見つかりませんでした」と言っても、「それはあなたがきちんと調べていないから悪いのです」という判決が下っています。
相続手続きについては、誰が教えてくれる訳でもなく、誰から連絡がくる訳でもありません。
相続は個人の問題として捉えられているのが今の社会です。
ですから、今は自分自身が行動して誰かに相談したり勉強しなくてはならないのです。
相続は生前対策が大切
生前のうちから、親と子供達で万一の時にどうしたらいいのか、話し合っておくことがとても大切です。
例えば余命宣告を受けてからは、まず考えるのはどうしたら生きられるのかということです。
子供にとっても「余命宣告受けたから、相続どうしようか」というのは親に言えませんし、そんな気持ちにもなかなかなれないでしょう。
だからこそ、相続対策は元気なうちに。
元気だから、死ぬなんて思っていないからこそ、冷静にみんなで考えることができるのです。
【今回記事を執筆いただきました担当者】
<大澤健司さんプロフィール>
茨城県で不動産売買・開発、賃貸管理に従事。「不動産オーナーとの信頼を強固なものにしたい」との想いから、社長に進言して不動産相続コンサルティングの部署を立ち上げる。2016 年に独立後、千葉県柏市に拠点を移し、相続コンサルティング、資産有効活用・賃貸経営に関するアドバイスなど、不動産オーナーに特化した総合不動産コンサルティングを行う。“地域の相談窓口”を目指すべく、相続勉強会、賃貸経営勉強会なども積極的に実施している。
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