2018.11.23
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不動産

相続財産としての評価額を決める際の土地の「利用区分」とは?

(写真=terng99/Shutterstock.com)
(写真=terng99/Shutterstock.com)
相続財産の中で大きな割合を占める不動産。特に土地については評価額が大きくなり、相続税評価額全体に与える影響も大きくなります。土地にかかる税金は他に固定資産税がありますが、こちらは地番ごとに評価額が決められています。それに対して、相続税における評価額は地番ごとではなく「利用区分」ごとに決められます。今回はこの「利用区分」についてお伝えします。

「地目」と「利用区分」の違い

土地の利用状況を示すものとして、登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている「地目」があります。こちらは田・畑・宅地・山林など、その土地が現状どのような状態なのかによって、23種類に区分されています。それに対して今回お伝えする「利用区分」は、下記のような利用状況や権利関係によって区分されることになります。

・相続発生時にその土地が、自宅等被相続人自身のために使われていたのか
・他人に土地を貸してその土地に他人の建物が建っていたのか
・アパートやマンションなど、被相続人自身が建てた賃貸用の建物が建っていた土地なのか
・借地権が設定されている土地なのか

利用区分によって土地の評価額が変わってくる

相続財産としての土地の評価額を算出する「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書(第1表)」には、利用区分としていくつかの項目が記載されています。相続発生時に該当地がどの区分として利用されていたかを確定させたうえで、相続税評価額を計算していきます。今回は、代表的な5つの区分についてお伝えしていきます。

1.自用地
被相続人の土地に自宅があり被相続人やその家族が住んでいた場合や、被相続人が店舗を構えお店を経営していた場合には、その土地を「自用地」として評価することになります。また、被相続人の子供に無償で土地を貸し、その上に子供が家を建てて住んでいた場合も、自用地として評価をすることになります。

2.貸宅地
被相続人所有の土地を他人に貸し、その他人が建物を建て住んでいる土地など、借地権などの目的となっている土地は貸宅地として区分をします。貸宅地の評価額は、自用地の評価額から、その土地の借地権割合を引いた額となります。

・計算式:自用地評価×(1-借地権割合)

3.借地権
こちらは上記の「貸宅地」と逆で、他人から土地を借りその土地に自分の家を建て住んでいる方が亡くなった場合の、その土地の利用区分となります。借地権の評価額は、自用地の評価額にその土地の借地権割合を掛けた額となります。

・計算式:自用地評価×借地権割合

4.貸家建付地
賃貸のアパートやマンションが建っている土地が貸家建付地にあたります。被相続人の土地に被相続人名義のアパートやマンションを建て、各住戸を賃貸として他人に貸している「貸家の目的とされている宅地」が該当します。

・計算式:自用地評価×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

5.私道
私道に対する言葉として「公道」があります。国や地方自治体が管理をしている道路で、不特定多数の人に広く提供されている道路と定義づけられています。それに対して私道は、「専ら特定の者の通行の用に供されているもの」と定義づけられています。私道の評価額は、自用地の評価額の30%と決められています。

実際の利用形態ごとに土地を分けて評価する

このように、実際の利用形態をもとに土地を分けた「利用区分」ごとに評価をしていくのですが、土地を利用区分ごとに分ける作業に手間と時間がかかる場合があります。例えば一つの地番(1筆)に自宅と賃貸アパートの2つの利用区分が存在する場合、その筆全体の地積はわかりますが、どこまでが自宅でどこからがアパートなのかを現地で判断をし、その利用区分ごとに地積を求める必要があります。

複数の地番に複数の利用区分が存在する場合は、さらに利用区分の判断や利用区分ごとの地積の算出が難解となるケースがあります。まずは、相続財産の中に利用区分の判断が難しそうな土地があるかどうかを確認しましょう。判断が難しい場合には、専門家に依頼をして利用区分の判断を仰ぐようにしたほうが賢明です。
 

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