2019.3.20
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不動産

夫婦なかよく自宅を共有「将来のことも考えて」

(写真=Leszek Glasner/Shutterstock.com)
(写真=Leszek Glasner/Shutterstock.com)
マイホームを買うときに、夫婦の共有名義にする人は少なくありません。なぜなら、金銭的なメリットがあるからです。ただし、共有名義には弊害もあります。ここでは、自宅における夫婦の共有名義のメリットとデメリットをあげますので、共有でのご購入を検討されている人は参考にしてください。

共有にすれば夫婦で住宅ローン控除が受けられる

夫婦で自宅を共有にすることの最大のメリットは、それぞれに住宅ローン控除が受けられることです。この制度は、ローンの残高に応じて納めた税金が還付される仕組みになっています。医療費控除や生命保険控除などの所得控除と違い、直接税金から引かれる「税額控除」なので節税効果が高いでしょう。多くのケースで、共有名義にする夫婦の多くは共働きで一定の収入があり、数千万円単位の住宅ローンを借りています。

住宅という人生最大の買い物を一緒にすることで連帯感が高まることも、共有することへの抵抗をなくしているのでしょう。もう一つのメリットとしては、「居住用財産を譲渡した場合、3,000万円の特別控除の特例」を受けられることがあげられます。不動産を買ったときよりも高く売ると、差額に対して税金がかかりますが、自宅を売った場合はそのうち3,000万円分について免除される制度です。

実際にマイホームを売って3,000万円以上の利益があがることはまれなので、これを目的とする人はほとんどいないでしょう。
 

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もしも離婚したらどうする?

自宅を共有することで最も困る場面は離婚です。もちろん、夢のマイホームを買うときに離婚のことを考えている人はほとんどいないでしょう。しかし、夫婦の別れは珍しいことではありません。厚生労働省の「人口動態統計の年間推計(2017年)」によると、年間の離婚発生数は20万件以上です。約2分30秒に1組が別れていることになります。

彼らのほとんどは、新居を決めるときに離婚のことなど頭になかったことでしょう。別れたあと、どちらが住むにしても、ローンの返済をどうするかという問題がでてきます。売却するとしても、共有者の同意を得なければなりません。離婚した相手に対して、このような交渉をするのは相当なストレスになるでしょう。

死別の場合にもトラブルが発生する可能性があります。特に相続人同士の仲が悪く遺産分割協議が進まない場合、一つの財産を数人で共有することになるかもしれません。そうすると、権利関係が複雑になり、将来的に売却するときに非常に面倒で難しいという事態が発生する可能性もあるのです。

共有を解消する場合のコスト

前述のような税の優遇措置が受けられるような状況でなければ、共有にすることのメリットはほとんどありません。将来に備えて、どちらかの名義に変更することも考えるべきでしょう。共有を解消するには、どちらかの持分(所有権)を相手にあげるか、もらうことになります。贈与、あるいは売却(譲渡)です。これには税金などのコストがかかります。

まずは、不動産の名義変更登記にかかる費用です。法務局に登録免許税を納めなければなりません。贈与の場合、登録免許税の税率は1,000分の20、つまり2%です。共有持分が2分の1で固定資産税評価額(厳密には固定資産課税台帳の価格)が1,000万円の場合、1,000万円×2%×2分の1=10万円となります。特定認定長期優良住宅などの場合は税率の優遇もあります。

登記を専門家へ代行してもらう場合は、その費用もかかります。依頼する司法書士や物件の価格によっても変わりますが、上記のような物件の場合は、4万~6万円程度が相場です。法務局が開いている平日に時間がとれるようなら自分でするのもよいでしょう。夫婦間でお金のやりとりがなく名義変更のみの場合は贈与税がかかります。これについては、結婚して20年以上経つ夫婦の場合、2,000万円までが免除されます。

共有するかどうかは将来を見据えて

マイホームを夫婦共有にすることには、住宅ローン控除をそれぞれに受けられるというメリットがあります。しかし、いつまでも夫婦2人元気でなかよくいられるとは限りません。離婚や死別の際にトラブルが発生する可能性があります。住宅の名義を共有にするかどうかはメリットとデメリットを理解したうえで検討しましょう。
 

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