2019.4.11
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不動産

「私道」の相続財産としての価値・評価額は?

(画像=BerndBrueggemann / Shutterstock.com)
(画像=BerndBrueggemann / Shutterstock.com)
相続が発生した場合、土地や建物が相続財産となるのと同様に「私道」も不動産の一つとして財産の対象となり相続することになります。道路には私道と公道がありますが、今回はそもそも「私道」「公道」とは何なのか、私道の不動産としての価値や相続財産としての評価額はどのようになるのかをお伝えします。

私道とは、公道とは

私道と公道の違いは、その道路を誰が管理・所有しているのか、の違いとなります。国・都道府県・市区町村といった国・地方公共団体が所有・管理している道路が公道となり、国道・都道府県道・市区町村道が該当し、道路法でいう道路は公道に該当します。

それに対して私道は、私人(個人)や民間企業が所有・管理している道路となります。代表的なものとして建築基準法第42条1項5号道路、いわゆる「位置指定道路」が挙げられます。小規模な建売住宅の販売や土地の分譲の際に、全ての土地が建築基準法の道路に接道するように造られるのが位置指定道路です。このような道路は、地主や分譲業者が道路を保有・分譲地を購入した個人が道路を共有・道路を分筆して分譲地を購入した個人がそれぞれ所有、といったケースが考えられます。いずれの場合にも、所有者や持ち分に違いはありますが道路としては私道となります。

私道は財産価値がある?

では、このような私道を所有している場合、メリットや財産としての価値はあるのでしょうか。通常は私道だけを購入したいというケースは少ないですが、土地と合わせて私道を売りに出せば購入希望者を見つけることは難しくないでしょう。また私道の所有権を持っておらず、自分の敷地から公道に出るまでに他人の敷地(私道)を通っている人は私道の所有権や持ち分を欲しがるケースがあります。このような場合には希望の金額で売却できるケースがあります。

なお、私道には土地・建物と同様に固定資産税がかかる場合があります。私道は通り抜けが出来る道路等、不特定多数の人が通行できる「公共の用に供するもの」と、自身や家族だけといった「専ら特定の者の通行の用に供するもの」に分けられ、前者に該当する場合には公共性が高いとして固定資産税はかからないことになります。

私道を相続するとどうなる?

私道を相続した場合にも固定資産税と同様に、相続発生時にどのように利用されていたかによって相続税評価額が変わってきます。

・公共の用に供するもの、例えば、通抜け道路のように不特定多数の者の通行の用に供されている場合
 →相続税評価額はゼロ

・専ら特定の者の通行の用に供するもの、例えば、袋小路のような場合
→その宅地が私道でないものとして路線価方式又は倍率方式によって評価した価額の30%相当額で評価

公道のように利用されていれば評価額はゼロになり、行き止まり道路や所有者専用の道路として利用されていれば3割評価ということになります。例えば私道そのものには路線価の3割の価値もない場合にも、利用形態によっては相続財産として評価をされ、相続財産全体の評価額によっては相続税の負担も発生してしまいます。

よくあるケースとして例を挙げると、近隣や街中で「私道につき通行お断り」といった趣旨の看板などを立てて、関係者以外の通行を認めていない私道を見たことはありませんでしょうか。自身の土地なので赤の他人が通り抜けることを環境面や防犯上の理由等で良く思わないということなのでしょうが、この看板があるだけで私道は相続財産としての評価の対象となってしまいます。

代表的な私道として位置指定道路についてお伝えしましたが、分譲時には私道であっても道路を自治体に移管(寄付)することで公道に認定されるケースもあります。全てが認められるわけではありませんし、所有者全員の合意等の他、道路の形状の要件などもありますが、公道になれば道路の管理や固定資産税の負担もなくなりますので、私道を所有している場合には移管を検討されても良いかもしれません。
 

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