2019.4.15
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不動産

「相続税大国ニッポン」節税するにはどうすればいい?

(画像=Olivier Le Moal / Shutterstock.com)
(画像=Olivier Le Moal / Shutterstock.com)
数億円の資産を持つ富裕層にとって、日本の相続税制は厳しいものがあります。いっそのこと外国に住んで節税しようと考える人もいるかもしれませんが、はたして実際に可能なのでしょうか。移住による相続税対策には大きなボトルネックがあります。それよりも、もっと身近な節税方法に目を向けてみてはいかがでしょうか。

資産5億円に対する相続税率は日本50%、アメリカ0%

相続税はすべての国でかかるわけではありません。むしろ、日本のような広範囲の人に課税し、しかも最高税率の高い国は少数派といってよいでしょう。日本の法律では、人が亡くなったときに課税される資産の合計額が6億円を超えると、税率は55%にもなります。それでは、海外ではどのぐらいの相続税率なのでしょうか。他の国と比較してみましょう。

2019年時点で、アメリカの最高税率は40%ですが、2025年までの時限措置として1,000万ドルの基礎控除があります。遺産が約10億円までの人には相続税が課されないのです。一般的なサラリーマン世帯にとって相続税は無縁といってよいでしょう。日本の基礎控除は3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)なので、自宅の不動産といくばくかの現金があれば相続税の課税対象者となる可能性があります。例えば、配偶者と子ども2人が相続人であれば基礎控除額は4,800万円です。

相続税法改正によって基礎控除が下げられた2015年には、相続税が発生した割合は全死亡者に対して約8%でした。同じアジアのシンガポールや香港では、相続税そのものがありません。カナダやオーストラリア、中国なども同様です。最高税率で比べてみると、日本は55%、アメリカとイギリスはともに40%、ドイツは30%です。

相続税があるというだけでも富裕層にとっては厳しい国ですが、その中でも税率が高い日本は「相続税大国」といえます。
 

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資産を外国に移したからといって節税できるとは限らない

「相続税が制度として存在しない国に抜け出してしまえば、税金を払わなくてよくなるのではないか」と考える人もいるでしょう。しかし、簡単にはこのような「課税逃れ」はできません。外国に資産を移したとしても、国内に住んでいれば課税対象になります。資産とともに外国に移り住んだとしても、財産を残す人(被相続人)と相続する人(相続人)のどちらかが10年以内に日本に住んでいたことがあれば、基本的に相続税がかかります。日本の不動産も、現地に持って行った現金も、国内外すべてです。

相続税のない国に移住することで節税するためには、原則的に相続人と被相続人の両方が日本を出て10年以上経過する必要があるのです。相続人が外国籍を取得して日本の国籍がなくなったとしても、被相続人が10年以内に日本に住んでいたことがあれば、相続税が課されます。この「10年」という期間は、2017年までは「5年」でした。それでも資産ごと移住してしまう人が増えたため、対策として期間を延ばすことにしたのです。富裕層への相続税課税は厳しさを増しているといえます。

相続税のために海外に移住までする必要はない

海外に移住するよりも現実的な節税方法はもっと身近にあります。不動産を持つことです。もともと相続税における土地の評価額は実勢価格の8割ほどに計算されているので、現金を土地に換えておくだけでも税の軽減効果があります。土地は更地のままだと評価額が高くなりがちですが、アパートを建てて貸し出すと「貸家建付地」として評価されるため、こちらも大幅に相続税額を削減できます。

地主さんの相続税対策として数十年前から活用されている方法です。また、居住用や事業用の不動産、賃貸用のアパートなどは一定の規模まで大幅に評価額が下がる「小規模宅地等の特例」も利用できることがあります。 

遠くに永住するより近くに不動産を買う 

相続税を課さない国は世界にたくさんあります。課税される国の中でも特に税率の高い日本を抜け出したくなる富裕層もいるでしょう。しかし、外国人として納税を回避するためには、移住して10年以上経過することが必要です。それよりも身近な節税方法として、日本の不動産を買うことが挙げられます。
 

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