2019.6.17
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不動産

年代によって作成方法が違う!地積測量図の歴史

(写真=Supagrit tatongboon/Shutterstock.com)
(写真=Supagrit tatongboon/Shutterstock.com)
土地の面積や形、隣地との境界を確認・判断するために活用できる地積測量図。公図・登記事項証明書などとともに土地に関する情報として法務局に保存されていて、全国の土地について誰でも閲覧・取得することができます。土地を所有している人は、ご自身の土地の地積測量図をご覧になったことがあるかもしれません。

ただし、すべての土地に地積測量図があるわけではありません。また、作成時期によっては内容を確認する際注意が必要です。今回は、どのような時に地積測量図が作成されるのか、また年代による作成方法の違いなどを、地積測量図の歴史とともにお伝えしていきます。

どのような時に地積測量図が作成されるのか

地積測量図は、不動産登記令により次のように定められています。

第二条
三 地積測量図 一筆の土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。

土地測量の専門家である土地家屋調査士が測量し、その結果を図面化したもので、登記事項証明書とともに法務局に保管されている図面です。登記の専門家である司法書士が登記を行います。

地積測量図は、以下の場合に作成されます。

・一つの土地を二つ以上の土地に分割する時(分筆)
・登記されている土地の面積を訂正する時(地積更正)
・登記されていない土地を新たに登記する時(表題登記)

たとえば、大きな土地を分筆して複数の戸建て住宅を建てる、自宅の土地に新たに賃貸住宅を建設する、といった場合に地積測量図が作成されます。地積測量図が備えられるようになったのは1960年以降なので、それ以前に分筆した土地や過去に分筆をしていない土地、地積更正を行っていない土地には地積測量図が存在しません。
 

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時代とともに作成方法も進化、作成時期による注意点

地積測量図がない土地については、1960年以前に登記された地積がそのまま現在まで引き継がれています。当時の測量技術を考慮すると信憑性はあまり高くなく、いわゆる「縄伸び」「縄縮み」が起きている可能性があります。地積測量図がある場合も、その作成時期によっては実際の地積と異なる場合もあります。年代によって、地積測量図の作成方法はどう違うのでしょうか。

1960年以降に作成された地積測量図は、長さは「尺貫法」、地積は「坪」で表記されていました。その後1970年代に入り「メートル法」が採用されましたが、この時期にようやく測量機器や計算機器に電子的なものが取り入れられるようになりました。測量結果を図面化する際も手書きが主流で、その精度は現在よりも低いものでした。平成初期までは、手書きで地積測量図が作成されていたのです。

1990年代に入り、図面は「CAD(computer-aided design)」で作成されるようになりました。これによって図面の精度は飛躍的に向上しましたが、それでもまだ「残地法」と呼ばれる地積の算出方法に問題が残っていました。

たとえば250平方メートルの土地A-1のうち、100平方メートルを売却した場合、その土地A-2については測量を行い地積測量図が作成されます。元の土地A-1については測量を行わず、引き算によって150平方メートルとして登記することができます。

これを残地法と呼ぶのですが、元の250平方メートルの地積自体が正確でない場合が多く、実際の土地A-1の地積は150平方メートルでない場合があり、こちらも「縄伸び」「縄縮み」が起きる要因となっていました。

そこで2005年に改正不動産登記法が施行され、従来の「残地法」ではなく、分筆の際は原則すべての筆(土地)について求積を行わなければならないこととなりました。また測量も座標を活用したGPS(GNSS)測量が主流となり、図面の精度や復元性が飛躍的に向上しました。

相続の土地評価時にも活用される

時代によって作成方法や精度に違いのある地積測量図ですが、相続における土地の評価額を算出する際にも活用されます。

ただし利用する際は、精度の高い地積測量図についてはその図面を基に該当地の「利用区分」の判断・確定を行い、評価額を算出すればいいのですが、そうでない場合には「縄伸び」「縄縮み」が起きている可能性がありますので、現地で現況を測量した上で正確な地積を把握する必要があります。

ご自身・ご家族が所有している土地の地積測量図がどの時期に作成されたものなのか、確認してみてはいかがでしょうか。
 

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