2019.6.20
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不動産

土地の面積が実はもっと大きかった?縄伸び・縄縮みとは

(写真=Berna Namoglu/Shutterstock.com)
(写真=Berna Namoglu/Shutterstock.com)
土地の面積(地積)は地番(一筆)ごとに法務局に登記されていて、その地積を基に固定資産税・相続税などに使われる評価額が算出され、所有者は税金を納めることになります。ただし、登記上の土地の面積(公簿面積)と実際の土地の面積(現況・実測面積)が違うケースがあります。今回はなぜこのようなことが起きるのか、いわゆる「縄伸び」「縄縮み」についてお伝えしていきます。

公簿面積よりも大きい土地、小さい土地

本来、実際の面積と登記されている公簿面積は同じであると考えるのが普通ですが、必ずしもそうではなく、両者に差があることがあります。実際の面積が公簿面積より大きい状態を「縄伸び」、実際の面積が公簿面積より小さい状態を「縄縮み」と呼びます。

この言葉の由来は、江戸時代まで遡ります。当時は縄を使って測量をしていたため、申告をする面積よりも実際の面積のほうが大きい(縄伸び)、または小さい(縄縮み)という表現が使われていたのですが、それが今でも残っているのです。
 

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なぜ縄伸び、縄縮みが起きるのか

当時の測量は、現在のように地積や隣地との境界を確定させるというよりは、年貢や税金を決めるためのものであり、年貢を少なくするために実際の面積よりも小さく申告をしていたと考えられています。あるいは、測量技術が現在よりも精度が低かったと考える人もいます。

1960年以降に分筆された土地は、測量を行い地積測量図が作成されるようになったので、地積の信ぴょう性は向上しました。ただしそれ以前に分筆した土地や過去に分筆をしていない土地、地積更正を行っていない土地は現在も地積測量図が存在しません。そのため当時の測量結果が現在まで引き継がれており、公簿地積と実際の地積に差異が生じている可能性があるのです。

また、地積測量図が作成されていても、縄伸び・縄縮みが起きている可能性があります。これは、2005年まで行われていた「残地法(残地求積)」と呼ばれる地積の算出方法が原因です。

たとえば、一筆の土地の一部を売却するために二筆に分筆する場合、売却する土地については測量を行い地積が確定されます。ただし売却をしない元の土地の残りの部分(残地)については測量を行う必要がなく、元の一筆の地積から売却する土地の地積を差し引いて、新しい地積とすることが認められていたのです。

この方法の場合、分筆前の地積に縄伸び・縄縮みが起きている土地については、残地においても同様のことが起こります。2005年以降は、分筆の際すべての筆について求積することとなりこのような事は少なくなりました。が、2005年以前に分筆された土地については、実際の地積と公簿地積に差異がある可能性があります。

売買時、相続時等にも影響が

縄伸び・縄縮みの土地は、様々な場面に影響を及ぼします。売却をする際に測量を行ったら公簿地積と違っていたという場合は売買価格に影響し、新たに住宅を建築する際も地積が違えば建てられる建物の大きさが変わってきます。固定資産税などにも影響するので、実際よりも税負担が多かった、あるいは少なかったということにもなり得ます。

土地を相続する際の評価額にも影響が出てきます。相続財産としての土地の評価は、路線価地域であれば路線価に地積を掛けて評価額が算出されます。その計算根拠となる地積が違っているとなると、他の財産を含めた相続財産の総額や、相続人が負担する相続税額にも影響します。土地の評価額は相続財産に占める割合が大きいケースが多いので、相続時には現況の測量を行い、公簿地積との差異を確認することで、税負担を軽減できる可能性があります。

このように縄伸び・縄縮みは、様々な問題の原因になり得るものです。地積測量図がない場合は、まずは現況の地積を確認した上で、必要に応じて地積更正などを行うことで、今後の売買や相続に備えることができます。
 

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