2019.8.26
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不動産

実は奥が深い。道路にはどのような種類が?

(画像=Imagepocket/Shutterstock.com)
(画像=Imagepocket/Shutterstock.com)
「道路」と一言で言ってもその種類は様々で、法律によっても道路の定義は変わってきます。不動産に関連する道路の法律として「建築基準法」がありますが、今回は建築基準法の道路を中心に、道路にはどのような種類があるのかをお伝えします。

そもそも「道路」とは?

建築基準法では道路を次のように定義しています。

「第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう」

ここで定める道路に接しない敷地(土地)には、原則として建物を建ててはいけないというのが、建築基準法の考え方となります。第42条の1項には1号から5号までの道路が規定されていますので、順にお伝えしていきます。

・1号道路
「道路法による道路」が該当し、国道・都道府県道・市区町村道などの公道が該当します。

・2号道路
いわゆる「開発道路」が該当し、都市計画法や土地区画整理法等の法律で許認可を受けて造られた道路です。大規模な分譲開発等で新設された道路等が該当します。

・3号道路
「この章の規定が適用されるに至った際現に存在する道」と定義され、建築基準法の施行以前からあった道路で「既存道路」と呼ばれている道路です。

・4号道路
「計画道路」と呼ばれているもので、都市計画等で2年以内に新設・変更される道路となります。拡幅等で現在工事中または工事予定の道路であっても、行政が指定をすることで道路とみなされます。

・5号道路
土地の所有者が造る私道で、特定行政庁からその位置を指定された道路が該当し「位置指定道路」と呼ばれています。建売住宅の建設や土地を分譲する際に、区画割された土地のすべてが建築基準法の道路に接道するように位置指定道路を築造します。更地だった土地に新しく複数戸の建売住宅が建築され、その敷地内に舗装された行き止まり道路ができた場合には、その道路は位置指定道路ということになります。

以上が建築基準法第42条1項における「道路」となりますが、この項に該当しない道路は建築基準法の道路として認められず、その道路に接している敷地には新たに建物が建てられないのかという問題が出てきます。必ずしもそうではなく、上記に該当しなくても建築基準法の道路として認められるものとして代表的なのが下記の道路となります。

・42条2項道路
建築基準法が施行された時点で、既に接する土地に建物が建っていた幅員4メートル未満の道路で、「2項道路」や「みなし道路」と呼ばれています。今後、新たに建物を建てる場合には、道路の中心線から2メートル後退した線が道路と敷地の境界線とみなされます。これが「セットバック」です。建築基準法には各地域の再開発の促進や整備の他、防災整備の目的もあります。火災や大災害の時に、2項道路は幅員が狭く、消防車や救急車が目的地まで到着できない場合も想定されます。このような道路を長い年月をかけてできるだけ無くしていこうというのがセットバックの目的の一つとなります。

法律によって道路の取り扱いや種別が違う

建築基準法の第42条1項1号は「道路法の道路」とありますので、こちらについても触れておきます。

・道路法の道路の定義

一 高速自動車国道
二 一般国道
三 都道府県道
四 市町村道

なお建築基準法の第43条1項1号では道路の定義を次のように定めていて、上記4つのうち建築基準法の道路に該当しない道路が一つだけあります。

「第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路」

当然ですが、高速道路に面した土地に住宅等の建物は建てませんので、「高速自動車国道」は建築基準法の道路には該当しません。ではサービスエリア等の建物は建築基準法の道路に接していないのかというとそうではありません。同じく第43条1項の「ただし書き」の適用を受けた建築物の敷地が接する道として、建築基準法の道路とみなされることになります。このような道路は市街地にも存在し「ただし書き道路」と呼ばれることもあります。

道路に見えても道路じゃない?相続や売買にも影響が

このように、法律によって道路の種類は様々ですが、見た目は道路だけど建築基準法の道路ではない「旧法定外公共物」と呼ばれる公共物に接道している土地も存在します。代表的なものとして「赤道」「認定外通路」等と呼ばれる農道だった部分や、「青道」「認定外水路」等と呼ばれる農業用水路だった部分が挙げられ、農道や水路としての機能は喪失しています。農業が盛んだった地域に存在することが多く、農村部だけでなく都市部にも見受けられ、国有地として財務局及び財務事務所が管理しています。

また「旧法定外公共物」に対して「法定外公共物」も存在します。旧法定外公共物が農道・水路としての機能を喪失しているのに対し法定外公共物はその機能が残っており、こちらは国ではなく各自治体の財産として市区町村が管理をしています。

これらの公共物は、現在アスファルト等で舗装されており一見すると道路に見えるのですが、公図で確認すると多くの場合、地番がなく道路法上の道路としても認定されていません。道路と土地の間にこのような公共物がある場合には、建築基準法の道路に接道していないことになり、当然ながら新たに建物を建てることができず、資産価値は大幅に下がってしまいます。

それに対して、このような土地を相続した場合には「無道路地」としてその土地を評価することになるのですが、通常の土地として相続税評価額を算出した後に「40%の範囲内において相当と認める金額を控除して評価」することになり、実際の時価(売買価格)よりも高い評価額になってしまうケースがあります。土地そのものの資産価値は低いのに、相続税評価額は高くなり相続税を納めることに‥‥ということにもなってしまいます。
これは極端なケースかもしれませんが、土地の資産価値としての評価額はその土地に接している道路に大きく影響されます。このような法定外公共物が所有地に埋没していることもあり、土地そのものの形状・場所・地積等も大切ですが、接している道路にも着目してみると土地の見方が変わってくるかもしれません。

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