2020.6.12
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不動産

土地持ちからマンションオーナーへ!譲渡所得税がかからない等価交換方式とは

(画像=Johnny Habell/Shutterstock.com)
(画像=Johnny Habell/Shutterstock.com)
遊休土地を活用する方法に等価交換方式があります。このとき税務上の特例を使うことで譲渡所得税の支払いを保留できることをご存じでしょうか。ただしこの特例には注意しなければならないポイントもあります。

等価交換方式とは

土地を持っていると、マンションのデベロッパーから声がかかることがあります。いわゆる用地買収です。言われた通りに売却すると価格によっては所得税がかかります。もし取得時期を数十年さかのぼるような先祖代々の土地であったら、地価の上昇が加味され高い税金を支払うことになるかもしれません。またデベロッパーは次のような提案をしてくる可能性もあります。

「土地を寄付(出資)していただければ、マンションが完成したあかつきに、土地の時価に釣り合うだけの部屋を差し上げます」

遊休土地をマンションの一部と交換するわけです。このような土地活用法を等価交換方式といいます。等価交換方式には課税の繰延べ制度が設けられており、これは「立体買換えの特例」と呼ばれています。

例えばAさんが時価1億円の土地を持っているとします。だいぶ前に親から相続したもので元の購入価格はわかりません。デベロッパーがやってきて、この土地にマンションを建てたいといいます。完成したら出資比率に応じて、部屋を配分する予定です。

総工費4億円はデベロッパーが全額負担し、住宅10戸ができました(部屋の価値は全て同じとします)。出資比率は1対4なので、Aさんの取り分は2戸です。Aさんは土地を手放す代わりに、新築マンション2戸を手に入れることができました。

立体買換えの特例を適用すれば、この時点では税金がかからない

所有期間が5年を超える土地や建物を売却した場合に手に入る代金を「課税長期譲渡所得金額」と呼びます。これにかかる税額計算は以下のように定められています。

課税長期譲渡所得金額=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除

*譲渡価額:土地・建物の売却代金
*取得費 :土地・建物を購入したときの購入代金や購入手数料、その土地に対して支出した改良費や設備費の合計額(今回は購入価額は不明。遊休土地だったのでその他費用は0円)
*譲渡費用:売却のために支出した費用。(この例の場合はかかっていないので0円)
*特別控除:各種特例あり。(今回は該当しないため0円)

もしAさんが1億円を現金でもらっていたとしたら、譲渡所得税がかかります。購入価格がわからない場合は譲渡価格の5%を取得費(概算取得費)とするため、500万円。これを差し引いた9,500万円に対して20%を税金として支払わなければなりません(復興所得税を除く)。税額は 1,900万円です。等価交換の方が有利なことがわかります。

さらにマンションの場合、「立体買換えの特例」の要件に該当すれば、課税を繰り延べることができます(あくまでも繰り延べであり、非課税ではありません)。将来このマンションを売却したときに課税されることになりますが、土地を手放した時点では所得税がかかりません。特例の要件は「三大都市圏の市街地であること(東京23区、武蔵野市、横浜市・川崎市・川口市の一部、大阪市、京都市・神戸市・尼崎市の一部、名古屋市など)」「3階建て以上の(準)耐火建築物であること」などです。都心部にある中高層マンションをイメージしてもらえるとよいかもしれません。
 

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「立体買換えの特例」の注意点2つ

立体買換えの特例には、注意点が2つあります。

減価償却がないので不動産所得は膨らみがち

一つは減価償却がない分、不動産所得が大きくなりがちな点です。結果的に支払う税金が多くなる可能性があります。減価償却は建物の購入価格を長期にわたって所得から差し引くことで土地は対象外です。所得税の計算上、交換によって手に入れたマンションの価格は、もともと持っていた土地の購入価格とされます。

もし交換時の時価が1億円で元の土地の取得費が500万円だとすると、不動産所得の計算における購入価格は500万円です。1億円で建物を購入した場合と、減価償却できる金額に大きな違いが生じます。元の土地の購入価格と手に入れるマンションの価格の差が大きいほど、この特例を使うことで繰り延べられる譲渡所得も大きくなります。

その分、継続的に発生する不動産所得も大きくなりやすいことには注意が必要です。

取得時期は引き継がれないので短期譲渡所得に注意

もう一つの注意点は、等価交換で手に入れたマンションを売却する際の譲渡所得の税率に関する点です。この特例を使った場合、取得時期が引き継がれません。つまりすぐに売却すると短期譲渡所得として扱われ、税率が高くなってしまうのです。不動産の譲渡所得における税率は、5年以内に売却するかどうかで変わります。

売却した年の1月1日の時点で取得から5年を超えていた場合、長期譲渡所得となり税率は20%です。 5年以下の場合は短期譲渡所得となり39%と、約2倍になります。(復興所得税含まず)

等価交換方式の税務は減価償却と短期譲渡所得に注意

等価交換方式では、地主が土地を提供しデベロッパーが工費を負担するのが一般的です。土地の時価と工費の割合で完成後の建物を取得します。三大都市圏の一部の地域などは、立体買い替えの特例を利用することで、課税を繰り延べられることがあります。その場合、減価償却費が少なくなることと、取得時期が更新されることに注意が必要です。
 
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